見えてくる未来の分かれ道

「何でって言いたいみたいな表情丸出しになんのはお前からすりゃ当然だろうな・・・けどもうなんつーか、お前の態度見てっと兵士なんて職業がお似合いだなんて思えねーから俺はこう言ってんだよ」
「っ、なら私の何が似合わないって言うのよ!?」
「実力とかってのもそうじゃあっけど、一番に言えるのはよ・・・結局の所として、お前が兵士を選んだ理由がオッサンがいたからでその他に対しての気持ちが無いとは言わねーにしても、かなり薄いってのを感じたからだよ。ま、前からそういった節は感じちゃいたがさっきの話でよりそういったのを感じたけどな」
「ま、前からですって・・・!?」
ルークは頭に手を当てつつ話を進めティアは怒りを見せるが、気持ちが薄いのを前から感じていたという言葉に驚きを浮かばせる。
「す、すみませんルーク・・・どういった所からティアにそんな気持ちを感じていたんですか?僕もそこが気になります・・・」
「わ、私も・・・」
「旅してる最中に考えてたんだよ。ティアはローレライ教団、更に言うならユリアシティの人間だって言うのに第七譜石の中身を聞いた時からの様子を思い返すと、衝撃ってヤツが少ないように思えたってな・・・実際こいつがそんなまさかの事実を知ってうちひしがれてる、みたいな感じじゃなかったのはお前らも覚えてるだろ?」
「そ、それは確かに今思い返すと・・・」
「否定出来ないっていうか、そう言えばって感じですよね~・・・あの時くらいって私達もあんまり余裕なかったですけど、ティアの態度ってユリアシティの市長みたいに信じられないとかっていうのが無くて、結構すぐ受け入れてたっていうか・・・」
「そうだよ。そしてそういった所からどういった事なのかってのを考えてみたんだけど、行き着いた答えがオッサンが行動を起こしてたのはこういった理由なんだで納得した・・・って事だからって思ったんだよ。預言もそれを大事にしてきたユリアシティの住民の感じに染まってなかったのは、それだけオッサンの事がそういったのより優先される形になった上で他の事もそうなんじゃねーかってな」
ただそうしていた時にイオンとアニスが動揺をしながらというよう説明を求めてきたことに前に考えていたことを話すと、二人も納得といった声を漏らす中でルークはティアに向けて指を指す。
「けどそうやってオッサンが考えっていうか判断の基準が来ちまったから、こいつは他の物事について考えることを放棄かそれに近い状態になってんじゃねーかって感じたんだよ。現にオッサンが関わってこないこと以外に関して自分の意見を通そうとしたのは、自分の身の危険に関することばっかり・・・他に関しちゃこっちに話し掛けることすら稀って状況だ。まぁこいつからすりゃ俺らが気に食わないからとかってのもあるんだろうけど、そこは置いといて考えてみた結果として兵士に向いてねーんじゃねーかって言ったんだよ。強敵相手に尻込みする姿からってのも理由にはあっけど、実際俺が問題視してんのはオッサンが関わってこない場でのこいつの姿勢だったり考え方なんだからな」
「ルークの言うことには一理ある・・・どころの話ではありませんね。私は別に軍や国の為に心から忠誠を誓って働くなんて気持ちはなくとも、やることさえやった上で表向きは隠していれば問題はないと思っていますが、ティアの姿勢は今の話を聞いたのもありますが隠す気があるのかと疑いたくなる程に私心以外見えません。そんなティアに兵士として働く事が似合うなどとは私も思えませんね」
「俺も二人の意見に同意した上で加えて言わせてもらうなら、鉄仮面を着けた上で威圧的に誰かと接して事を進めれば、自身の心の内に踏み込んで来る者などいなかった状態で神託の盾の一員としてティアは活動してきたんだろうと見たが・・・鉄仮面で覆い隠したのは他に目を向けるような広い視野に考え方もになり、ティア自身の考えなどほとんど無くなったんだろう。ヴァンの事を思うことに集中して、誰かを守るだとかダアトの教義を説くであるといったような兵士としての本分など二の次三の次以下の代物とも考えることすらないまま、ただ兵士という立場にいるだけという形でな」
「っ!!」
・・・そしてルークの厳しい言葉から示し会わせた訳でもないのにジェイドにアッシュも同様な気持ちを抱いたといった辛辣な言葉が続けられた事に、ティアは驚愕と共に静止するような表情を浮かばせるしかなかった。ヴァン以外に関しての中身がカラッポに近いといったような言葉達を突き付けられているのに・・・それらを否定する事が出来ず。









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