見えてくる未来の分かれ道

「オッサンが六神将も含めて終わった時にどうなってるのかなんてまだ分かったもんじゃねーのはあるけど、まずオッサンらに関係無く言えることとしてよ・・・お前、これが終わりゃ一介の神託の盾兵士に立場的に戻ることになんだぞ。だっつーのに、お前を神託の盾側が甘やかしてくれるっていうか重用するかもそうだし、このグランコクマで過ごしてたように楽して暮らせるだとか思ってんのか?」
「え・・・?」
「今言ったろ。もうあんまり時間はそんなに残ってるって訳じゃねーって・・・そうして全部終わりゃこんな形で集まってる俺らも解散ってことになって、妥当に考えりゃお前はダアトかユリアシティに戻ることになんだろうけど・・・そうして神託の盾として活動するってんなら、これまでの旅でやってきたことが通じるなんて有り得る筈ねーだろうよ。お前は神託の盾の人間としてまたダアトかユリアシティだかで働かなきゃなんねーだろうが、そこで敵が現れたからお前戦えって下がるのもそうだし偉そうにふんぞり返って何もしねーから後はよろしくなんて言えるような立場にいねーはずだろ。なのにそれをこれまでの旅のように元に戻った神託の盾でも押し通せるとでも思うのか?」
「っ、それは・・・私のやったことは・・・」
「貴女のやったことなど他者への迷惑を省みる事なくファブレの屋敷に謡将と話したいが為に譜歌を使って侵入し、我々にただ付いてきたといったくらいです。ハッキリ言いましてとても貴女発信で何か事態が好転したとか、我々に恵みをもたらしたようなものがあったと言えるような事などありませんよ」
「大佐っ・・・!」
それでルークが淡々といったように話を進めていく中でティアが自分には功績はあるというように口にしようとしたが、ジェイドが冷ややかにそれはないと横入りして否定してきた事に苛立たしげに視線を向けるが涼しげな表情を崩すことはない。
「邪魔をされた、というような視線を向けてくるのは結構です。しかし貴女の様子からして自分にはその権利があるとでも思っているのかもしれませんが、貴女は神託の盾において謡将や師団長クラスではないどころか配下に誰かいるなんてことのない末端も末端にいる兵士の一人に過ぎません。なのに自分がこうしたいにこんなことをしたくないなどと言えるような立場にないというのもそうですが、それをしたくないならもういっそ神託の盾から離れてはどうか・・・とルークは言いたいのだと私は見ましたし、私もその意見に賛成だからこう言わせていただきました」
「なっ・・・わ、私が神託の盾に必要ないと言うんですか!?」
「必要がないって言ってんじゃねーよ。ジェイドが言ったことも確かに俺がそう切り出した理由の中に入っちゃいるが、一番言いてー事としちゃよ・・・」



「お前そもそも兵士に向いてねーって事だよ」



「なっ・・・!?」
・・・続けるジェイドにカチンと来たというようにティアが食って掛かろうとしたが、ルークがこの話の核心である『ルーク』からの言葉を口にしたことに絶句と言ったような表情を浮かばせた。そんなことなど言われると思っていなかったと。









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