影で動き影で処する

(『なぁ・・・確か前はアニスが偶然を装ってセフィロトへの隠し扉を開いたんだよな?多分モースにその辺りの事は教えられたんだろうけど、どうしてアニスはそんなことを知ってたんだ?』)
(う~ん・・・その辺りは詳しく理由を聞いたことがないっていうか、聞きようがなかったからな・・・ただ無理矢理じゃあるけど理由付けをするんなら、人前でスパイの事を話すとか流石にってなるから適当に人目のつかない場所を教えられたって所じゃないかな・・・)
(『あ~、そんなとこか・・・』)
・・・それでダアトの中のセフィロトへ続く隠し扉を開いたアッシュを尻目にどこか安堵しているアニスの姿を見て、『ルーク』は何故ここを知っていたのかと疑問を言葉にするがルークがイマイチ弱いと自身で感じつつ推測を口にすると同じように弱く納得する。






・・・そんな風にちょっとした疑問についてを会話をしつつルーク達は先に進んでいき、ザレッホ火山のパッセージリングの操作を終えてイオンとアニスとミュウを導師の私室に置いて三人は自身らの使うように言われていた部屋に戻った。



「・・・取りあえずはダアトでやれることはやり終わった。後は詠師達がモース達のやったことに息のかかった者達を片付けてくれるだろうし、アニスの両親達のような者達をうまく隔離してくれるだろう」
「そうですね。まぁダアトに関しては大方かたづいたと見ていいでしょう・・・これからにおいて問題になるのはやはり、謡将達になります」
「・・・それは分かるけど、やっぱりアブソーブにラジエイトでもそうだしロニール雪山で待ち構えてそうだっていうのがな・・・」
「あぁ、十中八九ロニール雪山で残りの六神将の三人は来るだろうな」
そうして三人ともにダアトでやることは終わったと話を進める中で、次のヴァン達との戦いに話題は移行する。
「・・・なぁ。ラルゴに関しちゃ俺達が倒したってのは向こうは知ってるからいいにしても、リグレットも死んでるって向こうは把握してると思うか?」
「流石にリグレットの性格を考えれば無断でどこかに行くだとか、逃げ出していったなどとは奴らも思わんだろう。となれば当然奴らはお前達にリグレットは殺されたと見ているだろうな」
「となると、ロニール雪山で残り一気に来るって事だろうけど・・・その時にリグレットの事を言われたのなら、ティアはどうなるかな・・・」
「そこか・・・」
そこでふとラルゴにリグレットの事を話題に出したルークは続けてティアのことについてを複雑そうに口にすると、アッシュもまた表情を歪める・・・先にリグレットから仕掛けてきたし厄介な敵は先に片付ける方がいいと考えて動いたとはいえ、リグレットがティアの教官という他の者達と比べるまでもなく好感度が高い存在が殺された・・・それも内密にとあれば、ティアの暴走が目に見えると。
「・・・その辺りに関しましては出たとこ勝負でいきましょう。確実に向こうがその事についてを切り出してくれるか分かりませんし、もしそうなったなら私がリグレットを殺したと正直に明かしますよ。事実は事実ですし、最早ここまで来てしまったらティアからの悪感情は気にしません・・・それに謡将もそうですがリグレットを殺してない時だったら、彼女は教官を殺さないでほしいと嘆願してきて後の禍根になっていたのは目に見えてますからね」
「だから気にしない、か・・・」
「・・・俺もそういうように振る舞うか・・・俺がリグレットのこと黙ってたのも事実だし、ここまで来たらな・・・」
だがジェイドが口にした面倒だが覚悟は出来ているといったように出たとこ勝負との言葉に、二人もまた仕方無いというように覚悟を決めたと漏らす。ティアに更に嫌われてももういいと。









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