影で動き影で処する

「ですので私は手段として、そういった事をするべきだと思っているのです。隔離というと言い方は悪いかとは思いますが、少なくともまだ人道的であり面倒はあるにせよ格段に問題が起きる可能性を減らす事が出来ます」
「・・・そう、ですね・・・確かに現状を考えればそうなるように進めた方がよろしいでしょう・・・ダアトからの追放というのが現実的ではないのもそうですし、もしそれ以上に問題が起きるような事態を未然に防ぐためにも・・・」
「そうしていただけるなら幸いですし、こちらとしても今の内にどうするかを詰めていく話をしたいと思っています。ダアトが混乱するような事態など我々としても望んではいませんし、表向きの事を考えるならイオン様のように苦心される方もおられるでしょうしそうする理由付けも必要になるでしょう」
「そうですね・・・では早速話をしましょう。導師にはこの話を聞かせられないのもありますし、以降は皆様の時間もこのような形で自由に取れないでしょうからね」
そうして話をまとめて隔離というような方向性に定めるとし、ジェイドの言葉にトリトハイムも覚悟は決まったと話に前向きに乗り出す。借金を行う者達についてを進めるために。






(『・・・これで一先ずはうまくいく、か・・・』)
(あぁ・・・トリトハイムさんならやってくれるよ。まぁこっちからしたら色々と予定通りに進んでることを話せないってのは申し訳無くはあるけどな)
・・・そうして話が進んでいく中で時折ルークも話に加わりつつ、内心で話をしていた。今の状況でトリトハイムは全てを内密に打ち明けられているつもりでいるのだろうが、こちらとしては全てトリトハイムの説得も含めて順調に進んでいるという事に。
(・・・そして、後は仕上げの話にかかるまで進めるだけだ・・・)
しかし予想通りに話が進んでいるというのに、ルークの声には重さが滲んでいた。仕上げという言葉に何かを感じているよう・・・


















・・・そうして話は進み、いかにして借金をした者達の隔離をするかもそうだが業者達の排除をしていくかを詰めていき、この手順で行こうという話をまとめることが出来た。



「・・・ありがとうございました。こうして話をしていただいて」
「いえ、それは構いませんが最後に一つ言わせていただきたいことがございます」
「はい、何でしょうか?」
「アニスもそうですが、その両親についてをどうするかということに関してです」
「っ!・・・タトリン一家について、ですか・・・」
話はまとまりトリトハイムもようやく安堵の表情になりかけた、といった様子になりかけたのだがジェイドが改めて口にしたタトリン一家の事についてとの言葉にすぐに表情を複雑さを滲ませ歪ませた。
「今ここでアッシュより明らかにされましたが、アニスの行動により我々の航路は筒抜けになりタルタロスを襲撃といった事態が起きました。幸いにしてというか私は独自の情報網から神託の盾の動きが怪しいと聞き、タルタロスからは最低限動かせるだけの人数を置いて兵を引き上げさせましたが・・・あれが起きたのは自身の情報からの物だとアニスも気付いていない訳ではないでしょう。まぁ大詠師がアニスもろともタルタロスで死んでくれても構わないとでも思って出した命令であり、彼女もスパイをやらされていたという意味も含めて被害者であることは確かだとは思いますが、そう加味したとしても悪質であったことには変わりはありません」
「・・・だから彼女をどうしろ、とおっしゃりたいのですか・・・?」
「正確には彼女の両親も含めてです」
そんな姿を見ながらいかにアニスの行動がマルクト側から見たら良くないもの立ったかを話すジェイドに、トリトハイムが処分が欲しいのかと恐る恐る確認してきたが夫妻も含めてと返す。









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