影で動き影で処する
「他の理由は何かと言えば、この件に関してを中途半端に解決すると取り組むと切り出すのを早めに発表してもろくな事にならないと見たからです。大詠師としてモースがダアトに戻らないということはさして珍しいことではないのもありますが、今アッシュが持っているリストに乗っている以外の人間についても悪徳業者は行動を起こしていることでしょう。儲けを出して金を稼ぐためにも。そしてそういった悪徳業者は総じて自身の危機に関しては敏感です。人に恨まれ行動を起こされて捕まるなり殺されるなりすれば、折角巻き上げた金も無駄になりますからね」
「成程・・・つまりそういった者達を逃がさないようにするためにも、ちゃんとバレないように準備をした上で行動するべきだと申されているのですね?」
「そういうことです」
それで続いての理由についてを口にしていくジェイドに途中でトリトハイムが言いたいことを察したことに、肯定を返す。
「急いては事を仕損じると言いますし、今はまだともかくとしても大詠師が死んだと知られたなら尻尾を巻いて逃げ出すなり雲隠れをする者が出てきてもおかしくはありません。ですので我々がダアトから出た後で秘密裏に状況を確認した上で後々の禍根にならないようにするためにも一網打尽にするべきです」
「だから準備は万全に、してからということですか・・・」
「そうなりますが、その業者を捕縛することに関連する形の理由がありますが・・・これがある意味では最もダアトにとって重要になるでしょう」
「最も重要っ・・・是非聞かせてください・・・それが何なのかを・・・!」
いかに業者をちゃんと排除していくのか・・・その必要性を語った上で更なる理由、それも最も必要と口にしたジェイドにトリトハイムは早くと言わんばかりに先を求めてくる。明らかに聞きたいという熱がこもっているのが隠しきれず。
「勿論お答えしますが、簡単な話として業者に対して行動を起こすだけではなく、借金をしてきた者達に対する対応が必要ということです。それも・・・再び同じような事を繰り返させないよう、もしくは繰り返すようなことをした場合の対処についてを決めることは避けていい問題ではないと言えると思います」
「っ・・・大詠師の意図があったとは言え、アニス=タトリンや他の導師守護役の者達のような存在をこれ以上産み出さないようにするため、ですか・・・」
「それは勿論の話ですが、集めて話をして言って聞かせればそれで済むという物ではないと見たからこう私は申し上げています・・・特に悪徳業者を排除出来たとしても、それでその後に続く者が出てこないといった保証など誰にも出来ません。ダアトの特性上完全に船や人の行き来を制限など出来ないのは承知しておられるでしょうが、そこで善良か悪質な人間かのどちらかを一々判断など一見ではまず出来ないでしょう。その上でアニスの両親のような方々については言葉で注意をした所で暖簾に腕押しというか、結局は自分がこうしたいからこれでいいかと思う形で流されてしまう可能性は決して否定は出来ないでしょう。ですがそんなことを許してしまえば大詠師というタガがいなくなった事から、そういった人のいい者達は生かさず殺さずで済まされていた所を骨の髄までしゃぶられた後に殺されるか死ぬ以外にない形で放置される・・・といった結末を迎える者達は多々出てくることかと思われます」
「っ!・・・そんなことになれば、問題になるのは確かですね・・・これからのダアトの治安やら何やらと色々考えていくと・・・」
そんなジェイドが答えていったのはタトリン夫妻達のようなことをした者達の内緒についてであり、もし何もしなかったなら起こり得る可能性・・・それらを聞いてトリトハイムは冷や汗を浮かべた。いくら自業自得になるとは言え、人がそんな理由で死んでいくのではないかと予測が出来てしまったことに。
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「成程・・・つまりそういった者達を逃がさないようにするためにも、ちゃんとバレないように準備をした上で行動するべきだと申されているのですね?」
「そういうことです」
それで続いての理由についてを口にしていくジェイドに途中でトリトハイムが言いたいことを察したことに、肯定を返す。
「急いては事を仕損じると言いますし、今はまだともかくとしても大詠師が死んだと知られたなら尻尾を巻いて逃げ出すなり雲隠れをする者が出てきてもおかしくはありません。ですので我々がダアトから出た後で秘密裏に状況を確認した上で後々の禍根にならないようにするためにも一網打尽にするべきです」
「だから準備は万全に、してからということですか・・・」
「そうなりますが、その業者を捕縛することに関連する形の理由がありますが・・・これがある意味では最もダアトにとって重要になるでしょう」
「最も重要っ・・・是非聞かせてください・・・それが何なのかを・・・!」
いかに業者をちゃんと排除していくのか・・・その必要性を語った上で更なる理由、それも最も必要と口にしたジェイドにトリトハイムは早くと言わんばかりに先を求めてくる。明らかに聞きたいという熱がこもっているのが隠しきれず。
「勿論お答えしますが、簡単な話として業者に対して行動を起こすだけではなく、借金をしてきた者達に対する対応が必要ということです。それも・・・再び同じような事を繰り返させないよう、もしくは繰り返すようなことをした場合の対処についてを決めることは避けていい問題ではないと言えると思います」
「っ・・・大詠師の意図があったとは言え、アニス=タトリンや他の導師守護役の者達のような存在をこれ以上産み出さないようにするため、ですか・・・」
「それは勿論の話ですが、集めて話をして言って聞かせればそれで済むという物ではないと見たからこう私は申し上げています・・・特に悪徳業者を排除出来たとしても、それでその後に続く者が出てこないといった保証など誰にも出来ません。ダアトの特性上完全に船や人の行き来を制限など出来ないのは承知しておられるでしょうが、そこで善良か悪質な人間かのどちらかを一々判断など一見ではまず出来ないでしょう。その上でアニスの両親のような方々については言葉で注意をした所で暖簾に腕押しというか、結局は自分がこうしたいからこれでいいかと思う形で流されてしまう可能性は決して否定は出来ないでしょう。ですがそんなことを許してしまえば大詠師というタガがいなくなった事から、そういった人のいい者達は生かさず殺さずで済まされていた所を骨の髄までしゃぶられた後に殺されるか死ぬ以外にない形で放置される・・・といった結末を迎える者達は多々出てくることかと思われます」
「っ!・・・そんなことになれば、問題になるのは確かですね・・・これからのダアトの治安やら何やらと色々考えていくと・・・」
そんなジェイドが答えていったのはタトリン夫妻達のようなことをした者達の内緒についてであり、もし何もしなかったなら起こり得る可能性・・・それらを聞いてトリトハイムは冷や汗を浮かべた。いくら自業自得になるとは言え、人がそんな理由で死んでいくのではないかと予測が出来てしまったことに。
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