砂上の楼閣の終わり
「・・・そちらの言いたいことは分かった。ただ今すぐこの場で決定というのは勘弁してほしい。流石に話題が話題故に即決で決めるというわけにはいかぬから、またそちらがこのバチカルに来るまでにはどうするかに関してを決めておくようにしたい」
「・・・分かりました。確かに少々急ぎすぎたようにこちらも思いましたので、それで構いません。ただもしもの事を考えてベルケンドにナタリアを送るのはまだ待たれた方がいいかと思われます。理由としてはヴァン達がベルケンドに来る可能性を考慮してです」
「うむ・・・そう言えばベルケンドを自由に使うように言ってあったのだったな、ヴァンには・・・」
「確かにその事を考えればヴァン達がベルケンドに来るのは有り得ますな・・・」
そうしてインゴベルトは体裁を取り繕うようにしながら後日に結論をと言ったことにアッシュは頷き返すのだが、続けられたヴァンの行動の可能性の是非についてに公爵も有り得るというように難しげな表情を浮かべる。
「ですのでナタリアに関してはヴァン達をどうにかするまではこのバチカルに置き、奴らへの対処が済み次第に送る方がよろしいでしょう。下手に奴らとナタリアがかち合った際に様々に起こり得る問題を避けるためにも」
「・・・それは分かるが、ヴァン達がベルケンドかキムラスカ領内に来たなら捕縛の為に軍を動かすべきではないか?」
「それはとても勧められる物ではありません。ヴァンもそうですが六神将や兵の強さは侮りがたく、たまたま見付けたから攻撃しろと言われただけの軍では返り討ちになる可能性の方が高いでしょう。そしてヴァン達としても自分達の事がキムラスカにバレたとなったなら、いよいよ我々の行動についても感付いた上で形振り構ってこなくなる可能性が高まります・・・いずれ奴らと対峙する時が来るまで、その時が遅いに越したことはありません」
「だから何もしない方がよい、か・・・分かった。ヴァン達については放置の方向でいく上で、ナタリアは事態が済んでからベルケンドに送ることにしよう。後はアッシュはキムラスカに戻るつもりがあるとは言ってはくれたが、ルーク・・・そなたはどうだ?」
「俺、ですか・・・」
そんなナタリアとヴァンについての会話をアッシュとしたインゴベルトは軍を動かさないと決めるのだが、そこでルークに戻る気はあるのかと問い掛けると考え込むようにルークは目を閉じる。
「・・・今の正直な考えを口にさせてもらうならアッシュの考えを聞いたのもありますけど、レプリカという体のこともありますしあのオッサンのやったことを公表するかしないかってのもありますけど、少なくとも大手を振ってキムラスカに戻る事は出来ないと思いますしそんな気にはなれないといった所ですが・・・今の俺の中にある気持ちとしては、あのオッサンとの決着を着けてからどうなるか周りの様子を見てから決めたいと思っているというくらいです」
「ヴァンとの決着・・・それがそなたにとって重要だと言うのか・・・」
「はい。全てが終わった後に今までの俺の立場に名前が同じようにあるなんて都合のいいことはまず無いとは思っていますが、それでもその先を作りたいんならあのオッサンをどうにかすることが使い捨てのレプリカとして造られた俺にとって色々な区切りになると思いますから・・・」
「成程・・・」
少し間を空け意を決したように口にしたのはヴァンとの決着を着けてから・・・そう目を開いて口にしたルークに迷いは一切見えず、インゴベルトも公爵も深く頷いた。ルークの立場からしたならの言葉に、迂闊な否定を返すような隙はないというよう。
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「・・・分かりました。確かに少々急ぎすぎたようにこちらも思いましたので、それで構いません。ただもしもの事を考えてベルケンドにナタリアを送るのはまだ待たれた方がいいかと思われます。理由としてはヴァン達がベルケンドに来る可能性を考慮してです」
「うむ・・・そう言えばベルケンドを自由に使うように言ってあったのだったな、ヴァンには・・・」
「確かにその事を考えればヴァン達がベルケンドに来るのは有り得ますな・・・」
そうしてインゴベルトは体裁を取り繕うようにしながら後日に結論をと言ったことにアッシュは頷き返すのだが、続けられたヴァンの行動の可能性の是非についてに公爵も有り得るというように難しげな表情を浮かべる。
「ですのでナタリアに関してはヴァン達をどうにかするまではこのバチカルに置き、奴らへの対処が済み次第に送る方がよろしいでしょう。下手に奴らとナタリアがかち合った際に様々に起こり得る問題を避けるためにも」
「・・・それは分かるが、ヴァン達がベルケンドかキムラスカ領内に来たなら捕縛の為に軍を動かすべきではないか?」
「それはとても勧められる物ではありません。ヴァンもそうですが六神将や兵の強さは侮りがたく、たまたま見付けたから攻撃しろと言われただけの軍では返り討ちになる可能性の方が高いでしょう。そしてヴァン達としても自分達の事がキムラスカにバレたとなったなら、いよいよ我々の行動についても感付いた上で形振り構ってこなくなる可能性が高まります・・・いずれ奴らと対峙する時が来るまで、その時が遅いに越したことはありません」
「だから何もしない方がよい、か・・・分かった。ヴァン達については放置の方向でいく上で、ナタリアは事態が済んでからベルケンドに送ることにしよう。後はアッシュはキムラスカに戻るつもりがあるとは言ってはくれたが、ルーク・・・そなたはどうだ?」
「俺、ですか・・・」
そんなナタリアとヴァンについての会話をアッシュとしたインゴベルトは軍を動かさないと決めるのだが、そこでルークに戻る気はあるのかと問い掛けると考え込むようにルークは目を閉じる。
「・・・今の正直な考えを口にさせてもらうならアッシュの考えを聞いたのもありますけど、レプリカという体のこともありますしあのオッサンのやったことを公表するかしないかってのもありますけど、少なくとも大手を振ってキムラスカに戻る事は出来ないと思いますしそんな気にはなれないといった所ですが・・・今の俺の中にある気持ちとしては、あのオッサンとの決着を着けてからどうなるか周りの様子を見てから決めたいと思っているというくらいです」
「ヴァンとの決着・・・それがそなたにとって重要だと言うのか・・・」
「はい。全てが終わった後に今までの俺の立場に名前が同じようにあるなんて都合のいいことはまず無いとは思っていますが、それでもその先を作りたいんならあのオッサンをどうにかすることが使い捨てのレプリカとして造られた俺にとって色々な区切りになると思いますから・・・」
「成程・・・」
少し間を空け意を決したように口にしたのはヴァンとの決着を着けてから・・・そう目を開いて口にしたルークに迷いは一切見えず、インゴベルトも公爵も深く頷いた。ルークの立場からしたならの言葉に、迂闊な否定を返すような隙はないというよう。
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