砂上の楼閣の終わり

「ま、待ってくださいジェイド・・・今の貴方の言葉を聞くと、まるで私に罰を受けてほしいと言っているように聞こえますわ・・・」
だがそこで何故と言わんばかりにナタリアがそんな話をするのかと、弱々しい声で間に割って入った。
「私は別に殿下に罰を受けてほしいとは思っていません。ただ話に出しましたよう、殿下が是が非でも我々に付いてくるようにしなければならない理由はないのです」
「で、でしたらアッシュはどうだと言うのですか・・・」
「待てジェイド、ここから先は俺が話をする」
「分かりました」
ジェイドがそんな声に平然と答えてナタリアは尚も何とか反論をしようとしていくが、そこで入ってきたアッシュの声にすんなりと理解を示して口をつぐむ。
「ナタリア。お前からしたら俺も同じようにキムラスカの王族だとでも言いたいのかもしれんが、俺もそうだがルークもまたそうだとは言い切れん状態にある。それは俺はアッシュとして活動してきて今もそう名乗っている以上は今はそうではないということに、ルークもルークで自身がレプリカという立場にあることを理解してヴァン達をどうにかした上で行動せねば話にならんということからな」
「それはあくまで貴殿方の気持ちというだけでしょう!」
「勿論それだけではなく、今となってはもうセフィロトのパッセージリングの操作に関してはヴァンから操作権を奪いでもしない限り、俺かルークのどちらかが操作しなければならん事がある。そして更に言うなら導師もこれよりのパッセージリング巡りにてダアト式封呪の扉を開けてもらわねばならず、アニスにジェイドは各々軍人としての役割を持って動かねばならんから離れなければならない理由はないが・・・ナタリア、お前に関しては違う」
「っ!?」
そのままアッシュはナタリアと直接向かい合う形で話をしていくのだが、激しく言葉を返すナタリアを射竦めるように鋭い眼差しを向けて萎縮させた。
「お前がここまで付いてきた理由に関しては徹頭徹尾自分が付いていかなければどうするのかという、付いていきたいを言い換えただけの大義名分がさもそこにあるかのような物言いでしかない。そこに叔父上からの命がある訳でもなく、ただ自分がこうしたいからという気持ちだけで行動してきた・・・そして先程の会話で叔父上達が望んでいない行動を取ったからこそについての罰についての話が出たわけだが、それでもお前はまだそう言えるのか?また同じように父上達なら理解してくれると勝手に考え、それで全て済むだろうというようにしてくれるからだとか考えてだ」
「っ!・・・そ、それは・・・」
アッシュがそこから続けた要約すれば尚も自分の気持ちだけで付いてくるのかと頷いた瞬間駄目な人物と自身で烙印を押すのかと問い掛けるようなその中身に、ナタリアも流石にそう言われてはと衝撃を受けてしどろもどろに視線をさ迷わせるが・・・そこで視界に入ったインゴベルトに、ハッとした表情を浮かばせた。
「で、でしたらお父様!私に許可を「与えるつもりなどない」・・・え・・・?」
そのままインゴベルトに願い出を出そう・・・とした中で言葉を遮るように口にされた拒否の言葉にナタリアは呆然とするのだが、対してインゴベルトはその様子にたまらずといったように顔を右手で覆うように当てた。









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