砂上の楼閣の終わり

『とは言え今の時点でプラネットストームを止める訳にもいかぬだろう。現状でプラネットストームを止めてしまえばどうあがいても今も浮かんでいる外殻大地が然るべき処置もなく降下してしまい、現状で先に魔界に降りている大地以外は崩壊してしまうだろう。故にプラネットストームを止めるのであれば最低でも他の全てのパッセージリングの操作をして降下して以降にせねばならんだろう』
「・・・そうせねばキムラスカにマルクトにダアトと全て滅ぶといったことになるということなのだろうが・・・音素の恩恵に預言が詠まれなくなることになれば、かなり人々からの不満や反発が起こることになるだろうな・・・」
『恩恵にすがり出来る限りその瞬間が訪れるのを避けようとしても、障気が復活することになればこの場にいる面々が十全に動ける状態にあるとは限らない上にその時以降はどうしてもプラネットストームが活動した後の音素の恩恵を排除した生活をせねばならぬ。そうでなければオールドラントは死の星になるのは避けられぬが、先にこうすると伝えて後の事態に取り組める姿勢を作れるのと、その時になって危険を避けるために事実を話してこうするからもう音素の恩恵無しで生活しろと一方的に言うのとではどちらがマシか・・・そこについてを考えれば自ずと答えは出てくるはずだろう』
「・・・確かに事に挑むには早い方がいい、か・・・」
『ただこの事に関してはまた首脳会談を行う時にでも話をすればいい。そこについてはキムラスカだけで話をして事を進めても良くないであろうし、細々とした決め事に流れなどはその時に話した方がいい』
「・・・うむ、そうだな。この事に関してはいずれ訪れる時に話をしよう。と言ってもピオニー陛下も話を聞けば同じような結論に至るとは思うがな・・・」
そんな衝撃な話をしたローレライは一先ず間は必要だろうといった旨を様々な面から話していくと、それらを聞いたインゴベルトは納得してもうここで引くしかないというように漏らすしかなかった。今に全てを決めるには色々と難しいということもあったが為に。
「では他に何を話すかについてですが・・・正直な所としましては今話に出てきましたよう、会談の場にて様々に話を進めた方がよろしいでしょう。その方が様々な擦り合わせもありますからそちらがいいと思われますが・・・となれば話題は殿下の事に移すべきでしょう」
「っ・・・!」
公爵がなら次は・・・と言った話題をしようとするのだが、他にないとばかりに殿下と口にしたことに今まで黙っていたナタリアがビクリと体を揺らす。
「確かにそろそろ避けて通れぬ頃合いだろうが・・・本題に入る前に導師と大佐に聞いておきたいのだが、ナタリアの入れ換えの事実についてを公言するつもりはあるか?」
「私としましてはピオニー陛下に報告はしましても、公言はしないようにとは進言はさせていただきます。もしもこの事についてを明かしたならマルクトが何故それを知ったのかという声が上がる以上に、キムラスカとダアトの関係性が一気に悪くなるだろうというのは容易に想像が出来ます。どちらかが自主的に殿下の事を切り出すというなら話は別ですが、後の不穏の種になりかねないことを考えればこちらからは何も言うつもりはございません」
「っ・・・こちらもそういうことを考えたなら何も言うようにはしないようにしたいと思っています。ただ詳しいことはまだ分かりませんが、もしその入れ換えの事を知っている預言保守派の者が行動を起こそうとしたならこちらで対処したいと思いますが、万が一ダアトから出てキムラスカに働き掛けるような事をしてきたなら・・・こちらの許可を求めずにそちらで対処してください。後でどのような人物が働き掛けてきたのかを連絡していただければ、こちらでどうにかするようにはします・・・」
「・・・うむ、そう言ってもらえるなら一先ずは安心して話を進めさせてもらおう」
インゴベルトも確かにと言う中でダアトとマルクトはどうするつもりなのかを試すように問い掛けると、ジェイドは当然といったようではあるがイオンも苦さを滲ませつつも厳しく動くと共に秘密にする旨を口にし、その様子に真剣に頷き返す。ナタリアの事を話せる体勢に入れると。









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