砂上の楼閣の終わり
「・・・取り敢えずしばらくの時間は俺達は待機せねばならん。その間はゆっくりと過ごすというか、過ごさせてもらいたい。こちらとしても先程の出来事に関しては整理しておきたい所だからな」
「あ・・・冷静そうに見えてアッシュもそんな感じなの・・・」
「俺だけでなくジェイドもルークも似たような心境だろう・・・正直俺はゆっくりしたい。ナタリアの事に関して論じたいというのはあるのかもしれんが、叔父上達に呼ばれるまでは休憩させてくれ。話に関しては叔父上達との時で済ませたい・・・いいか?」
「・・・まぁ仕方無いか~・・・ここで話を深くしたって陛下達がどう言うか次第で変わってくるだろうしね~・・・」
「っ・・・」
ただそこで一先ず話についてを終わらせたいと自身らも案外疲れているといった旨を口にしたアッシュに、アニスも今話をしても仕方無いと納得するとナタリアは辛そうに唇を噛むしかなかった。強く話を続けるようにと何かを言えるような材料もだが、気持ちも無かったために。
・・・そうして引き続き三人に加えてイオンとも別れたルーク達は自分達の使う部屋に入った。
「・・・一先ずはモースについては成功でアニスに関してはまだいいってとこでいいだろうけど、あの表情を見てるとやっぱりナタリアは辛いって気持ちを隠しきれてないよな・・・」
「まぁ彼女に関しては自分が偽物である事など想像もしていなかったからですけれどね。その辺りはキムラスカがナタリアの見た目についてを気にしないようにと徹底させた事も大きいのでしょう。歴代の王族の中で赤毛の緑の瞳を持ってないままに生まれてきた方もいなくはなかったとは思いますから、そういった事から何も言わないようにと暗黙の了解になっていって彼女の中には自分が王族じゃないんじゃないかみたいな疑念など浮かばなかったんだと思いますよ」
「そこに関しちゃ叔父上達もナタリアの事を疑っちゃいなかったからそうなったんだと思うけど、今となっちゃって感じだよな・・・」
三人になった所で早速とナタリアについて切り出すルークにジェイドがこうあったからだろうという理由を口にし、仕方なかった部分もあったのだろうと何とも言いがたそうに口にする。
「だがそれで情けをかければ前のよう、いやそれ以上に厄介な事態になりかねん。この後の叔父上達との会合では向こうの出方にもよるが、態度を徹底させてもらう。ナタリアを突き放すためにな」
「「・・・」」
そんな会話に改めてアッシュは自身の考えを口にし、二人はその言葉に静かに頷き返した。その気持ちが揺るいでいないということを確認して。
・・・それで時間は進んで夜になった所でルーク達は城からやってきた使いの兵士の言葉を受け、ナタリア達を連れて城に向かった。そして一同が連れていかれたのは謁見の間でもインゴベルトの私室でもなく、会議室であった。
「・・・済まぬな、ここに来てもらって」
「それは構わないのですが・・・何故ここに、と言うのは護衛の兵が場にいないのも併せて想像するとナタリアの事があるからでしょうか?」
「・・・うむ、そうだ。流石にナタリアの話は他の者達に聞かせる訳にはいかんと思ってな」
「っ・・・」
・・・会議室に入ったルーク達は横に立つ公爵をつけて椅子に座るインゴベルトの言葉を受けるが、アッシュが辺りを見ながら口にした他に人がいない事についてを聞くと苦々しそうに頷いた事にナタリアがまた辛そうに表情を歪めた。いやが上にでもナタリアの為にこの状況が整えられたことと、その話がされるのは確定だということに。
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「あ・・・冷静そうに見えてアッシュもそんな感じなの・・・」
「俺だけでなくジェイドもルークも似たような心境だろう・・・正直俺はゆっくりしたい。ナタリアの事に関して論じたいというのはあるのかもしれんが、叔父上達に呼ばれるまでは休憩させてくれ。話に関しては叔父上達との時で済ませたい・・・いいか?」
「・・・まぁ仕方無いか~・・・ここで話を深くしたって陛下達がどう言うか次第で変わってくるだろうしね~・・・」
「っ・・・」
ただそこで一先ず話についてを終わらせたいと自身らも案外疲れているといった旨を口にしたアッシュに、アニスも今話をしても仕方無いと納得するとナタリアは辛そうに唇を噛むしかなかった。強く話を続けるようにと何かを言えるような材料もだが、気持ちも無かったために。
・・・そうして引き続き三人に加えてイオンとも別れたルーク達は自分達の使う部屋に入った。
「・・・一先ずはモースについては成功でアニスに関してはまだいいってとこでいいだろうけど、あの表情を見てるとやっぱりナタリアは辛いって気持ちを隠しきれてないよな・・・」
「まぁ彼女に関しては自分が偽物である事など想像もしていなかったからですけれどね。その辺りはキムラスカがナタリアの見た目についてを気にしないようにと徹底させた事も大きいのでしょう。歴代の王族の中で赤毛の緑の瞳を持ってないままに生まれてきた方もいなくはなかったとは思いますから、そういった事から何も言わないようにと暗黙の了解になっていって彼女の中には自分が王族じゃないんじゃないかみたいな疑念など浮かばなかったんだと思いますよ」
「そこに関しちゃ叔父上達もナタリアの事を疑っちゃいなかったからそうなったんだと思うけど、今となっちゃって感じだよな・・・」
三人になった所で早速とナタリアについて切り出すルークにジェイドがこうあったからだろうという理由を口にし、仕方なかった部分もあったのだろうと何とも言いがたそうに口にする。
「だがそれで情けをかければ前のよう、いやそれ以上に厄介な事態になりかねん。この後の叔父上達との会合では向こうの出方にもよるが、態度を徹底させてもらう。ナタリアを突き放すためにな」
「「・・・」」
そんな会話に改めてアッシュは自身の考えを口にし、二人はその言葉に静かに頷き返した。その気持ちが揺るいでいないということを確認して。
・・・それで時間は進んで夜になった所でルーク達は城からやってきた使いの兵士の言葉を受け、ナタリア達を連れて城に向かった。そして一同が連れていかれたのは謁見の間でもインゴベルトの私室でもなく、会議室であった。
「・・・済まぬな、ここに来てもらって」
「それは構わないのですが・・・何故ここに、と言うのは護衛の兵が場にいないのも併せて想像するとナタリアの事があるからでしょうか?」
「・・・うむ、そうだ。流石にナタリアの話は他の者達に聞かせる訳にはいかんと思ってな」
「っ・・・」
・・・会議室に入ったルーク達は横に立つ公爵をつけて椅子に座るインゴベルトの言葉を受けるが、アッシュが辺りを見ながら口にした他に人がいない事についてを聞くと苦々しそうに頷いた事にナタリアがまた辛そうに表情を歪めた。いやが上にでもナタリアの為にこの状況が整えられたことと、その話がされるのは確定だということに。
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