人の皮を被った獣などいくらでもいる
「えっと、言いたい事についてをジェイドが補足してくれましたけど俺が言いたいのはそういうことです。モースについてあいつに協力したい気持ちだとか探さなきゃいけないって気持ちがあるなら別だと思いますけど・・・」
「ま、待ってください!・・・それではモースはどうなるんですか?探すことが出来ないというのはもうどうしようもないというのは分かりましたが、それでもいきなりモースがいなくなった事をどうしたらいいんですか・・・?」
ルークがそのジェイドの言葉を引き継ぐように話を続けるのだが、そこでイオンがどうモースの事を進めるのかと不安げに声を上げた。非情になりきれない部分はあってモースの無事を願いたいという気持ちもあるが、話から諦めざるを得ないと理解しているからこそ対外的な処置についてどうするのかと。
「・・・気に食うかどうかに父上達の判断がどうなのかは別にして、一番妥当なのは俺達の話に父上達が賛同したのにモースはそれに納得しなかったばかりか狂乱して刃を取り出して来たため、やむを得ず殺さざるを得なかった・・・と言ったようにするのが収まりがいいだろう。勿論この場にいる者達の間だけで事実は内密にする形でだ」
「内密に、ですか・・・」
「あぁ。おそらくあの手からしたならそちらの方が色々と都合がいいだろうし、いたずらにあの手がモースを連れ去っていったなどと喧伝した時にその者があの手に捕らわれない保証もないだろうからこう言っている。あの手に狙われて生きていられるかどうかを考えたなら、その存在や起こした行動を秘匿する方がいいと俺は見ている」
「「「「っ・・・!」」」」
そんな声に応えたのはアッシュで自身の考えはこうだと口にして行くのだが、その中身にイオンやインゴベルト達だけでなく周りの警護についていた兵士達からもたまらず引いてしまったといったような反応がこぼれた・・・今この場に居合わせたのはたまたま仕事の時になったからであって、敵と戦うならまだしも得体の知れない存在の気に障った行為をした場合に一方的に無惨に殺されることを恐れたのだろう。
「ただこれは父上達が俺達の話に乗っかってもらえるかどうかになるが・・・どう思われますか?」
「っ、わしはそれで構わぬと思っておる・・・話の限りではそちらの言うことはモースの言ったように嘘だと断じるにはあまりにも迫真に迫りすぎている上、もしそれこそ詠まれたという預言の通りになったなら目も当てられぬ所の話ではない・・・だからわしはそちらに協力したいと思っているが、そなたはどうだクリムゾン?」
「・・・私も同様の意見ですが、それならばこそこの場にいる皆には大詠師の身に起こったことについては他言無用という形で、アッシュが言ったような事を示し会わせるという約定を結ぶべきでしょう。勿論そちらはピオニー陛下などには伝える義務があるだろうが、それでも伝えるべきは最低限にという形でです」
「決まりですね・・・ではこのような状況ですが、話を続けていきましょう。確かにあの手が何かを再び為さないとは限りませんが、それを恐れていて何もしないというのはあまり良くないでしょうからね」
「っ・・・そうだな。そうしよう」
そうしてアッシュが二人にどういった考えかと聞くと伴に動揺を隠せないといった様相を浮かべながら反対はないと返し、ならと話を進めることを切り出してきたアッシュに少し苦々しげながらもインゴベルトは頷いた。
(『決まりだな・・・これで』)
(あぁ・・・これでもうキムラスカが敵になることはないだろう。まぁ元々から父上が叔父上を説得してたからやっぱりモースがあんな形でいなくなったのがだめ押しになったんだと思うよ。ただその代わりとして俺の発案からあんな風なことにモースはなったけどな・・・)
・・・そうして目の前でアッシュが主になって話を始める様子を確認しつつ、ルークは『ルーク』と話しながら重くなる気持ちを感じつつ前の事を思い出していった・・・
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「ま、待ってください!・・・それではモースはどうなるんですか?探すことが出来ないというのはもうどうしようもないというのは分かりましたが、それでもいきなりモースがいなくなった事をどうしたらいいんですか・・・?」
ルークがそのジェイドの言葉を引き継ぐように話を続けるのだが、そこでイオンがどうモースの事を進めるのかと不安げに声を上げた。非情になりきれない部分はあってモースの無事を願いたいという気持ちもあるが、話から諦めざるを得ないと理解しているからこそ対外的な処置についてどうするのかと。
「・・・気に食うかどうかに父上達の判断がどうなのかは別にして、一番妥当なのは俺達の話に父上達が賛同したのにモースはそれに納得しなかったばかりか狂乱して刃を取り出して来たため、やむを得ず殺さざるを得なかった・・・と言ったようにするのが収まりがいいだろう。勿論この場にいる者達の間だけで事実は内密にする形でだ」
「内密に、ですか・・・」
「あぁ。おそらくあの手からしたならそちらの方が色々と都合がいいだろうし、いたずらにあの手がモースを連れ去っていったなどと喧伝した時にその者があの手に捕らわれない保証もないだろうからこう言っている。あの手に狙われて生きていられるかどうかを考えたなら、その存在や起こした行動を秘匿する方がいいと俺は見ている」
「「「「っ・・・!」」」」
そんな声に応えたのはアッシュで自身の考えはこうだと口にして行くのだが、その中身にイオンやインゴベルト達だけでなく周りの警護についていた兵士達からもたまらず引いてしまったといったような反応がこぼれた・・・今この場に居合わせたのはたまたま仕事の時になったからであって、敵と戦うならまだしも得体の知れない存在の気に障った行為をした場合に一方的に無惨に殺されることを恐れたのだろう。
「ただこれは父上達が俺達の話に乗っかってもらえるかどうかになるが・・・どう思われますか?」
「っ、わしはそれで構わぬと思っておる・・・話の限りではそちらの言うことはモースの言ったように嘘だと断じるにはあまりにも迫真に迫りすぎている上、もしそれこそ詠まれたという預言の通りになったなら目も当てられぬ所の話ではない・・・だからわしはそちらに協力したいと思っているが、そなたはどうだクリムゾン?」
「・・・私も同様の意見ですが、それならばこそこの場にいる皆には大詠師の身に起こったことについては他言無用という形で、アッシュが言ったような事を示し会わせるという約定を結ぶべきでしょう。勿論そちらはピオニー陛下などには伝える義務があるだろうが、それでも伝えるべきは最低限にという形でです」
「決まりですね・・・ではこのような状況ですが、話を続けていきましょう。確かにあの手が何かを再び為さないとは限りませんが、それを恐れていて何もしないというのはあまり良くないでしょうからね」
「っ・・・そうだな。そうしよう」
そうしてアッシュが二人にどういった考えかと聞くと伴に動揺を隠せないといった様相を浮かべながら反対はないと返し、ならと話を進めることを切り出してきたアッシュに少し苦々しげながらもインゴベルトは頷いた。
(『決まりだな・・・これで』)
(あぁ・・・これでもうキムラスカが敵になることはないだろう。まぁ元々から父上が叔父上を説得してたからやっぱりモースがあんな形でいなくなったのがだめ押しになったんだと思うよ。ただその代わりとして俺の発案からあんな風なことにモースはなったけどな・・・)
・・・そうして目の前でアッシュが主になって話を始める様子を確認しつつ、ルークは『ルーク』と話しながら重くなる気持ちを感じつつ前の事を思い出していった・・・
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