見つけ暴かれて

『結論だけを言うなら、ナタリアは死ぬといった預言はなかった。むしろ預言通りにオールドラントが滅びる少し前くらいまで生き残るくらいに生きているとあったな』
「それは・・・ナタリアの立場的にもうその時には女王って部分もあったからか?」
『先程そなたらが話していたことの延長線上のようなことになるだろうな。モース達により偽物だとバラされても表向きには女王としてその座にいなければならず、そしてキムラスカまでもが危険になった際に誰を優先して国の為に守らなければならないか・・・そう考えれば自ずとナタリアはもうその時にはインゴベルト達がいないのもあるだろうため、最優先対象となるのは間違いなかっただろう』
「あぁまぁ、ナタリアとしちゃそうなったら不本意だけど受けなきゃどうしようもないみたいに思ってただろうけど・・・そもそもそんな展開にならずに俺達にナタリアが付いてきたのって、俺とアッシュが入れ換えられたから俺に不安を感じたからってことから来る小さな変化なんだろうな」
『そうなるだろうな』
それでローレライが言葉にしたナタリアが長く生きていただろうとの言葉にルークは納得する中、自分とアッシュの件に関してを苦々しく口にするとローレライは肯定を返す。
「それに関しては全くの間違いではないでしょうが、そこをナタリア当人に告げるのは止めておいた方がいいでしょうね。今はまだいいかもしれませんが、次第に追い詰められていくにつれて謡将が悪いのに加えて私はルークの失敗を避けるために行動した・・・と言った言い訳を口にしかねませんからね」
「それは・・・」
「言い過ぎとは言えんぞ、ルーク。追い詰められれば言い訳や逃げを探したくなるのが人間という物だが、ナタリアに関して言うなら自分の行動は間違った結果を生みはしたけれど善意の物だから大目に見てほしいという気持ちは捨てきれはしないだろう。そして王女という立場が危うくなっていよいよ自分がそうでなくなると認知したなら、間違いなくナタリアはその言い分で押し通そうとして来る・・・自分の立場やら気持ちやらを守るためにルークを矢面に出して、どうにか自分には何の責任もないといった状態にしたいとな」
「っ・・・!」
そこにジェイドの話に加えてアッシュからの手厳しい言葉を受けて、ルークはたまらず息を呑んだ・・・もしもの仮定をすると自分に責任転嫁をしかねないのだと、二人が揃って口にしたことに衝撃を受けて。
「・・・そうなれば貴方もそうかもしれませんが、それ以上にナタリアがアッシュに執拗に自分を救い出すようにと言ってくる可能性が高くなります。ですのでこの事に関しては彼女の耳に入れないようにしましょう・・・下手に付け入るような言い分を与えない為にというのもありますが、明かして良くないものというものもあります。彼女からしたなら預言の事がそうだという話になるでしょうが、それはモースが言い出すのは確実だったからと例外だと思う形でです」
「・・・そうだな、そうしよう・・・」
そんな姿を見てか優しく言わないようにと口にするジェイドに、ルークも苦い顔をしながら頷くしかなかった。わかっていることではあるが、改めて情けをかけてそれがいい結果にならないことの方が有り得ると認識する形で・・・









望もうと望むまいと暴かれる物はある



利用するかされるかもまた変わってくるものだが・・・



覚悟も何もなければ耐えることなど出来ようはずもない



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