見つけ暴かれて

「確かに私の口から言いにくいことではある・・・だがそれで言いたくないからとローレライに任せることは良くないとも思う。だから私から言わせてもらう」
『それでよいなら我からは言わないが、もう本題を伝えた方がいいだろう。この後の展開を考えるなら後の方に話をしたいと思うかもしれぬが、ナタリアとしては気になって仕方無いことを先に片付けたいといった気持ちを抱くであろうからな』
「・・・それでいいならそうするが、そちらは全員話を聞くでいいのか?」
『こちらは事情はどうあれ、全員がモースと対峙せねばならんとのことから話は聞かざるを得ない状況だ。だから事実を知ったとしても妄りに話はしないというようにすると話をした。故に心配はいらぬ』
「・・・分かった。では話そう」
公爵はその表情のまま話を自分でするとローレライと会話していき、確認を取って一つ頷く。
「・・・では単刀直入に話させてもらおう。我々がモースより聞かされたナタリア殿下の事実と預言。それが何かと言うことだが・・・」



「・・・ナタリア殿下。貴女は本物のナタリア殿下ではない。本物のナタリア殿下は産まれた時は死産であって、貴女は同時期に産まれた別の子どもであってその身代わりとなるために詠まれていた存在・・・つまり、貴女は本物のナタリア殿下ではないのです」



「「っ!?」」
「・・・え・・・?」
・・・そして公爵からとうとう口にされた事実の発表にイオンとアニスは驚愕を浮かべるが、当のナタリア本人はどういうことかと呆けた声を漏らしていた。
「・・・言っておきますが、これは嘘でもなんでもありません。最初こそは我々も証拠はあるのかと信じたくない気持ちもあって否定しましたが、モースよりもたらされた情報から本物のナタリア殿下が埋葬された場所についてを掘り起こした所・・・遺体が発見されました」
「・・・ちなみにお聞きしますが、それが確実に本物のナタリア殿下であるという証拠はおありなのですか?その辺りは流石に本当かどうかを確認をしなければ預言とは言え、言葉だけでは貴殿方もそうだと断定しないかと思いますが・・・」
「・・・そこの所は殿下の出産を担当した者達に確認をしたが、事実だと返ってきた。当時は死産であることにどう報告するべきかと悩んでいた時にいきなりローレライ教団の者達が来て、こういう預言が詠まれていたから自分達の言う通りに子どもの入れ換えを行い一連の流れについては黙っておくように言われた・・・という証言を得られた。つまりは殿下の死体が本物であることは未だに信じがたいという気持ちはあるものの、嘘であるという方が有り得ないということになる」
「そ、そんな・・・う、嘘ですわ・・・」
公爵は嘘じゃないと言う傍らでジェイドの追求が来たために証拠についてを返していくと、ナタリアが次第に顔色を青くして弱ったように後ろの方へと後退してしまう。
「・・・ナタリアの預言はそんな中身だったのですか」
「・・・そう言う割にはお前はあまり驚いているといった様子を見せてはいないな、アッシュ」
「中身自体はこうだと完全には予測はしていませんでしたが、ジェイド達とナタリアがバチカルから脱け出したのをキムラスカが引き留める事なく見捨てるような形を取ったのは何故か・・・という理由についての話し合いは何度かしてきました。勿論このような理由だとまでは勘づいてはいませんでしたが、むしろそういった理由だというなら納得が出来ました・・・王女殿下という立場にあるナタリアを見捨てるのは偽者だからいいだろうと、モースが叔父上に言って説得にかかったからだというのは」
「・・・その通りだ。そして我々は預言に詠まれた繁栄の為にも、無理に殿下を連れ戻す事も殿下の性格上簡単ではないということから、殿下を連れ戻す事を止めると決めたのだ。モースが下手に時間をかけてはよろしくないといったような話をしてきたことも相まってな」
「っ・・・!」
アッシュがそんな預言に大して驚きを浮かべていないといった様子に公爵は会話を交わしていき、その中で出てきた事実の数々に更にナタリアは体を震わせていく。聞きたくない事実が続々と出てきていることに。









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