見つけ暴かれて

「ナタリア、落ち着け。聞きたいという気持ちがあることを駄目だとは言わん。しかしそうして息巻くお前はその預言の中身は何なのかと想像はしているのか?」
「え・・・?」
そこで口を挟んできたのはアッシュだが、中身の想像との言葉に呆けたような表情を見せる姿にそっと目を閉じる。
「・・・怖いものはないと覚悟しているといった気持ちをお前は持っているつもりなのだろう。しかし父上にローレライがあそこまでその預言についてを言い淀んでいたのは、そんなお前が聞いたら血の気を引かせることは容易に想像がつくという事からだろう。今のお前の姿を見聞きした上でだ」
「な、何が言いたいのですか・・・?」
「単純明快な結論を聞かせろ、まどろっこしい話など聞くに値しないし信じるかどうかは自分がどうなのか判断する・・・お前からしたならそういった気持ちなのだろうし自分なら大丈夫だと言いたいのだろうが、父上達があぁまで言ったその気持ちを鑑みろというのと預言の中身についてどういう物なのかの想像をしろということだ。特に気持ちに関してはお前との付き合いも短くない父上があのように言い淀むということを考えれば、お前のその強気な姿勢が崩れ落ちるというのを予想してたのだと考えていたというのならば・・・ナタリアが有無を言わさず衝撃を受けるほどの中身であることには違いないのだろうからな」
「っ・・・!」
アッシュはそのままいかな中身なのかの推測とそれがいかにナタリアにとって酷な物であるのか・・・そう考えた根拠を口にしていくと、さしものナタリアもここまで聞いてハッとしたように息を呑んだ。改めて可能性として聞くだけでも相当な事が有り得るのだと。
「だからこそ明日のこの時間までどんな中身の預言が有り得るのかについてを自身で想像してみろ・・・どうせ大したことないし自分なら考えなくても大丈夫といった考えで思考を放棄せず、どのような中身が詠まれているからあのように言われたのかとな」
「・・・分かり、ました・・・考えるように致しますわ・・・」
そうして念押しと言ったように目を開けたアッシュが考えるようにと口にすれば、ナタリアも流石に力なくも頷くしかなかった。アッシュに圧される形になったのも相まって。


















・・・そうして一同と言うかイオンにナタリアにアニス、それにジェイドがミュウに「明日また集まるまではナタリアに付いていてください。ゆっくり考えてもらうためにも貴方が共にいてもらった方がいいと思いますからね」と言って、自分達から離した。
「さて・・・いきなりあのような事を言い出した理由をお聞きしたいところですね」
「あぁ、悪いジェイド・・・いきなりだったよな」
『それについては謝ろう。そしてそれを切り出したのは我だ』
「貴方が・・・?」
そうして場に事情を知る者だけになりジェイドが先程の発言についてを問い質すと、ローレライから返ってきた返答に首を傾げる・・・さも先程の話は打ち合わせが無かったかのように進んでいたが、事実この場でジェイドだけに話が行ってなかった為に。
『ナタリアの事に関して先に言っておいた方がよいと思ったのだ。何せそちらの話ではいきなりモースより出生の秘密についてを明かされ、ナタリアは茫然自失となっていたのだろう。それを考えれば先にナタリアに預言の事を匂わせた上で、モースと対峙する前に話をしておいた方がよいとな』
「・・・確かにそうですね。いきなり明かされるよりはまだそちらの方がマシでしょう。そしてアッシュの先程の念押しは預言の中身は相当の物だと、それを自覚させるための話だったということですか」
「そういうことだ」
その理由はナタリアの自覚の促しと話すローレライにジェイドも納得した。必要と言うか、手間を考えてやっておくべき事だったと。










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