始まりの時と見定める境界

・・・アッシュにジェイド、そしてルークと平行世界のオールドラントへと来て一ヶ月が経ち・・・始まりの時が訪れた。






(・・・いよいよルークがバチカルから飛ばされる時が来るのですね・・・以前までと同じ流れならエンゲーブで私達とルーク達が出会うことになりますが、どうなるのでしょうね・・・ティアが変わってることが良くない方に傾いているのは分かってはいるのですが、それがどれだけまずいのか・・・ガイもそうですが、早目にどう対応するのか考えねばなりませんね・・・)
・・・タルタロスのブリッジにて進路を見据えながら、内心ではジェイドは頭を動かしていく。これから会うティアとガイに対してどう対するか、それらに対する不安を。
(・・・取りあえずはエンゲーブに着くまではどうするのかはまだいいでしょうが、アニスにイオン様・・・特にアニスはどうしましょうか・・・)
ただその考えの中、後ろにいるイオンとアニスの方に視線を一瞬だけ向けて考えを移行させる。これから先に起こりうる最悪の可能性・・・家族を守るために自分達を裏切り、イオンを死なせてしまうという結末を避けることを。
(・・・ルークは気乗りはしないでしょうが、私が考えたようにした方がいいと言った方がいいでしょうね。これからの事を考えれば、嫌でもと言うか確実でいて早目に行わないとならないでしょうからね・・・)
しかしジェイドの頭の中には既に解決策が浮かんではいたが、ルークに対する申し訳無さがあった。その解決策にはどうしても心苦しさをルークが感じるだろう為に。
(後はアッシュとどのように合流と言うか、アクゼリュスから私達と共に来てはくれるのでしょうが・・・それまでに私達と何回か内密に会ってくれるように設定していただけるとありがたいんですけれどね・・・)
そしていかにアッシュと話が出来るかについてを考えるジェイドだが、アッシュの行動次第の面が強いために切実にどうにかしてほしいという希望を抱いていた。自分達の行動を円滑に進めるために。


















(・・・日付的に今日がルークが飛ばされた日で、そろそろタルタロスに俺達が襲いに行くことになる時間になるな・・・)
・・・そして場は変わり、船に乗っているアッシュに場面は移る。
その船の一室の中で一人アッシュは考えていた。これからの事についてを。
(出来ることならアクゼリュスに着く前に俺とルーク達が内密に話が出来る状況を作りたいところではあるが・・・現状を考えるとやはり難しいと言わざるを得んだろうな。前の俺と違い元々のこちらの俺はヴァン率いる神託の盾として真面目に任務についていたからな・・・)
しかしそんな中で自分がどのようにしてルーク達と話をするための状況についてを考えるが、それが難しいことを実感する・・・元々のこちらの『アッシュ』との違和感を出来るだけ出さないようにと気を使っているアッシュだが、だからこそ前のように自分一人で暴走するような行動を取れば、違和感を抱かれて警戒されるなり妙なことになりかねないと感じて。
(だがその程度で俺が動かない訳にはいかん・・・これからの事を考えればアクゼリュスに行く前に何回か接触しなければ妙な行き違いを起こしかねないから、話をしておきたい・・・それに時間はないなら作るものだ。この辺りは俺が自分でどうにかするべきだろうな)
しかしすぐにアッシュは考えを切り替え、どうにか自分で動かねばという考えになる・・・以前なら周りの評価や目など知ったことかと短気に身を任せて言っていただろうが、この辺りは王としての責務を果たすために動いてきた年月があるからこその成長によるものであった。









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