「・・・では話を始めましょう。と言ってもそちらとしてはモースの言うことに従うだけの状況に疑問を覚えたからこそ、我々とこのような形で密談をしたいと持ち掛けたのでしょうが・・・」
「・・・認めたくはないがその通りだ。そして同時にヴァン達の企みについてを知らされたからでもあり、外殻大地が続々と降下していったからでもあるが・・・そちらのというよりは、ヴァン達の活動を見てきたアッシュがアクゼリュスを壊した時点で他の外殻大地も連鎖的に壊れていくのを知っていったという話だったな？」
「はい。一応は我々の活動によりアクゼリュス以降は崩壊ということは避けられ降下という状態には出来ましたが、本来でしたら今頃パダン平原付近の大地はバラバラになり魔界に崩れ落ちて跡形もない状態になっていて、セントビナーにカイツールにいた人々の命は失われたものとなっていたでしょう・・・そしてその時に我々がいなかったなら、キムラスカはモースに無理矢理にでも戦争を仕掛けざるを得ない状況になっていた可能性は大いに有り得たかと思われます。預言を達成したならこのような状態については解消されるといった文言で」
「・・・それはまず間違いなかったであろうな。現に先程もヴァン達を派遣するように動くから、マルクトに攻め入るようにと陛下や私に進言してきた」
「何ですって！？」
そういった空気の中でジェイドとアッシュが話を重い空気の中で真剣に話をしていく中、公爵が苦々しく口にしたモースの行動にナタリアが大きく声を上げた。
「・・・意外といった反応を殿下は取っているが、そういった話はそちらではしていなかったのか？」
「勿論してはいますが、また今もそんなことを言っているのかという驚きだったのだと思われます。とは言え今の状況でもそう言えるモースの精神についてを考えると、こうして密談の形に持ってきたのは間違いではなかったとは思えますが」
「あぁ・・・そこは本当に同意させてもらう・・・」
公爵はその反応になんとも言いがたそうな目を向けながら問い掛けを向け、アッシュは推測した理由をついてを口にする中でモースの事を漏らすと本当に疲れたように頷いた。
「・・・正直に今この場でだから言わせてもらうなら、私と陛下は今の状況で戦争になど取り掛かりたくはないと思っている。そちらからの話もあるが、とても今の状態では戦争など仕掛けてもろくなことにならんからとな。だがモースからしたならむしろ今が絶好の機会ではないかであるとか、それこそヴァン達を使うだとかを口にするようにだ・・・しかしアッシュとルークの二人の姿を見たのもあるが、モースが頼みにするヴァン達は確実にその時に行動などしないだろう。まず間違いなくヴァン達はすっぽかすことになりろくな事にならないなどといった話ではなくなるだろうな」
「そう分かるのでしたら、何故モースを拒否出来ないのですか！？預言があるからというのが理由であるといっても、いくらなんでもお父様も叔父様も弱腰にも程がありますわ！」
「っ・・・殿下・・・」
そうしてインゴベルトも含めた自身らの苦しい内心に考えを明かしていくのだが、じれったいと言わんばかりにナタリアが怒りの声を向けてきたことに更に苦い顔を浮かばせる。



『そちらがモースの事を拒否出来ない理由はナタリアの預言、いやその立場にあるのではないか？』



「っ！？」
・・・そんな中で不意に出てきたローレライからの声に、公爵はたまらず驚きに絶句してしまった。いきなりの声がアッシュの腰元から聞こえてきたこともそうだが、それ以上にその中身についてを聞いてだ。









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