見つけ暴かれて
『故にこそ我が考えたことに乗ればルークがここを離れたことを気付かせる事なく、それでいて誰も探すことが出来ないような状態にすることが可能になるという訳だ』
「分かった。まずは話をしてくれ。そこからどうするかに関してを話し合っていこう」
だからこそ・・・そう言葉にするローレライに、アッシュもならと話をしようと乗り気な姿勢を見せルークもまた同じような表情に変わる。最後の締めに関わることである為に・・・
・・・そうして様々な事に時間を費やしながらルーク達は一夜を過ごし、その翌朝にアルビオールに乗って一路バチカルへ向かう。と言ってもこれまで同様に誰かが妨害に来るといったようなことなどあるはずもなかったため、道中は何事もなくバチカルまで辿り着いた。
それであらかじめ用意しておいた潜入用のローレライ教団の人間が着るフード付きの法衣を一同は身に付け、バチカルの街中へと怪しまれることなく入っていき・・・宿に入ってアッシュが代表となって宿の主人と細々と話した後、宿の広い一室に通され待機することになった。
・・・この宿の一室に入る流れに関してであるが、これはルーク達がバチカルの上層部に入ってくるのは全くではないにしてもモースに出くわす危険性があると手紙に書かれていたためだ。基本的にモースは城から出ることなどなく悠々と過ごしているが、それでも城の中の一室にずっとすし詰めでいるわけではなくよく散歩がてらに動き回っていると。
故に城の中もそうだがバチカルの上層部という不届きものが普通なら来ようはずもない場所を歩き回る可能性は決して否定は出来ないため、下層の宿を使いモースに気取られぬよう公爵達を呼び出せるような手筈を取ったというわけである。
「・・・待たせたな」
「・・・いえ、こうして我々の為に罠も張らずに足を運んでいただいたことを考えれば待つことは苦ではありません」
・・・そうして夜。
宿の扉が開かれ入室してきた公爵とセシル少将の姿にアッシュが答えてルークと横並びに共に頭を下げると、二人は何とも複雑そうな表情を浮かべた。
「・・・手紙から知らされてはいたが、本当に同じ顔なのだな・・・そして本物の『ルーク』はヴァンにより拐われ、神託の盾として活動していたアッシュ・・・お前だと・・・」
「そうなりますが、現状として私はアッシュと名乗りルークにはそのままルークと名乗ってもらっています。どちらがどちらと呼びわけをするという意味でそうお呼びください」
「・・・うむ・・・」
その訳を自身で口にする公爵にアッシュは冷静に応対するのだが、やはり複雑さを隠せないといったように頷く。
「・・・こちらからも質問をしたいのですが、護衛はお一人だけですか?」
「あぁ・・・今回の件についてを多数の者に知らせたくないという事情はそちらも分かるだろうが、それでも私一人で行くのは流石に良くないだろうということでセシル少将に話をして護衛及び彼女からの視点でどう思うかを判断してもらおうと思って連れてきた・・・それだけ今回のそちらとの密談を無視出来ないと思ってな」
「成程・・・そういうことですか」
今度はお返しにとジェイドがセシル少将についてに言及すると、二人ともに重い表情を浮かべる姿に納得する。それだけ切羽詰まっているからこそこうしているのだと。
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「分かった。まずは話をしてくれ。そこからどうするかに関してを話し合っていこう」
だからこそ・・・そう言葉にするローレライに、アッシュもならと話をしようと乗り気な姿勢を見せルークもまた同じような表情に変わる。最後の締めに関わることである為に・・・
・・・そうして様々な事に時間を費やしながらルーク達は一夜を過ごし、その翌朝にアルビオールに乗って一路バチカルへ向かう。と言ってもこれまで同様に誰かが妨害に来るといったようなことなどあるはずもなかったため、道中は何事もなくバチカルまで辿り着いた。
それであらかじめ用意しておいた潜入用のローレライ教団の人間が着るフード付きの法衣を一同は身に付け、バチカルの街中へと怪しまれることなく入っていき・・・宿に入ってアッシュが代表となって宿の主人と細々と話した後、宿の広い一室に通され待機することになった。
・・・この宿の一室に入る流れに関してであるが、これはルーク達がバチカルの上層部に入ってくるのは全くではないにしてもモースに出くわす危険性があると手紙に書かれていたためだ。基本的にモースは城から出ることなどなく悠々と過ごしているが、それでも城の中の一室にずっとすし詰めでいるわけではなくよく散歩がてらに動き回っていると。
故に城の中もそうだがバチカルの上層部という不届きものが普通なら来ようはずもない場所を歩き回る可能性は決して否定は出来ないため、下層の宿を使いモースに気取られぬよう公爵達を呼び出せるような手筈を取ったというわけである。
「・・・待たせたな」
「・・・いえ、こうして我々の為に罠も張らずに足を運んでいただいたことを考えれば待つことは苦ではありません」
・・・そうして夜。
宿の扉が開かれ入室してきた公爵とセシル少将の姿にアッシュが答えてルークと横並びに共に頭を下げると、二人は何とも複雑そうな表情を浮かべた。
「・・・手紙から知らされてはいたが、本当に同じ顔なのだな・・・そして本物の『ルーク』はヴァンにより拐われ、神託の盾として活動していたアッシュ・・・お前だと・・・」
「そうなりますが、現状として私はアッシュと名乗りルークにはそのままルークと名乗ってもらっています。どちらがどちらと呼びわけをするという意味でそうお呼びください」
「・・・うむ・・・」
その訳を自身で口にする公爵にアッシュは冷静に応対するのだが、やはり複雑さを隠せないといったように頷く。
「・・・こちらからも質問をしたいのですが、護衛はお一人だけですか?」
「あぁ・・・今回の件についてを多数の者に知らせたくないという事情はそちらも分かるだろうが、それでも私一人で行くのは流石に良くないだろうということでセシル少将に話をして護衛及び彼女からの視点でどう思うかを判断してもらおうと思って連れてきた・・・それだけ今回のそちらとの密談を無視出来ないと思ってな」
「成程・・・そういうことですか」
今度はお返しにとジェイドがセシル少将についてに言及すると、二人ともに重い表情を浮かべる姿に納得する。それだけ切羽詰まっているからこそこうしているのだと。
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