見つけ暴かれて

「・・・皆さん。おそらくこの話をモースやティアが聞いたとしても一概に信じないか都合のいい部分しか聞かないかのどちらかかと思いますが、私はローレライを連れていく方がよろしいかと思いました」
「っ、それは何故ですのジェイド?」
ただそんな空気を打破したのはジェイドの声で、ナタリアは何故とその考えについてを問い掛ける。
「彼の協力を怪しいというだけで遠ざけてしまうのは良くないと思ったからです。ちなみにローレライ・・・協力を断られた場合もそうですが、仮に我々に協力し終わった後はどうしようかと考えていましたか?」
『どちらの場合でも我は音譜帯に登り、他の意識集合体共々空の上からオールドラントを見守るつもりでいた。これは他の意識集合体もやっていることもあるが、我としてはそちらに協力し終えるか必要ないと言われたなら過干渉をする気はないからだ。そして以降はもう我からはオールドラントがどのような未来を辿ろうとそうするに留めるつもりでいる。我が必要以上に地上にいても誰かがこちらを頼りにしに来るなど、あまりいいことになる未来が見えぬ故にな』
「そうですか・・・まぁこのように言われた本人の言葉が残る内に言うのはなんですが、今こうして初めて面と向かって話すことが出来たローレライの言葉を私が全て本当だと断じれるかどうかと言われれば、否と言うしかありません。ですが同様にそんなことを全部信じられないとも言い切れませんし、本当だったなら我々はみすみすローレライの協力を得られる機会を自らの手で逃すことになります・・・故に私はローレライの同行を望みます。もしもの可能性としてそんなことにさせないためにも」
「「「「っ・・・」」」」
ジェイドはそのローレライに問い掛けをしてその答えを受けながら自分の考えを口にしていき、その中身にナタリア達は圧されたような形で息を呑んだ。もしもの可能性があまりに重い物であった為に。



(『ん~、効いてるなジェイドの話・・・』)
(ジェイドのうまいとこが出たって感じだな。多分っていうか理由なしでローレライを連れて行こうなんて言っても誰かしらもそうだけど後で何よりティアが渋るだろうってのは想像出来たから、そうならないように駄目な事になる可能性を口にして拒否が出にくいような事を言ったんだろうな)
(『あぁ言われれば、そりゃ無理に反対するような理由なんてそうそう簡単には出てこないだろうな』)
それでそんなジェイドの言ったことに関してをルーク達はうまいというように評していく。あたかもローレライの真意を慎重に探ろうとしていて、それでいて失敗をしないようにという考えを印象づけさせる話し方に。
(まぁ取りあえずこれなら反対は出ないだろうから、後は時間の流れに身を任せればいいだろうな)
(『だな』)
ルーク達はそんな話からもう確定だろうと返しあう。ローレライを連れていくことになるだろうと。


















・・・そうして程無くしてイオン達は反対はしないというように口にして行き、ルークにアッシュも表向きは考えたといったように頷いた後に一同は一先ずはゆっくり話をまとめようということで、アルビオールで移動して今日はケセドニアに寄って泊まろうという話になった。

そうして少し時間をかけアルビオールはケセドニアに着き、ルーク達はケセドニアの宿に向かった。









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