見つけ暴かれて

「んじゃまぁこれも先に聞いとくけど、お前が付いてくるのって誰かの体を乗っ取る形でとかって感じか?」
『そのようなことはしない。だが我の姿を見せながら歩くのはそちらにとっても色々と不都合になるであろうから、付いていく間は・・・』
「・・・鍵の中に、消えていった・・・」
続けてルークは暗にティアの不安についてに関してを聞くのだが、ローレライが必要はないとばかりにアッシュの持っていた鍵に近付き同化するよう消えていったことに持っていた当人が声を漏らす。
『この鍵は高濃度の第七音素の塊であり、我の力でもある。故に鍵と同化することくらい容易いことであるし、あの時に体を借りたのは飛ばすことが出来た我の一部のみではあれだけ話すと共に鍵を渡す時間が保てなかったからだ。こうして地核から出れた以上はあの娘であったり、他の誰かの体を必要とすることはない』
「そうなんだ・・・でもなんか複雑・・・」
ローレライはそのままの状態で話を進め誰かの肉体は必要ないと言葉にし、それを聞いたアニスが何とも微妙そうに漏らす。まるで誰かが操られるのを望むようにというより・・・
「生憎ですがそうであったとしても、ティアは謡将との対峙の折りに我々に付いてくることを諦めないと思いますよアニス。精々その時になって言うこととしてはローレライにどこか別の所に行けか、最悪それこそ自分以外の誰かに憑けと平然と言ってのけるでしょうからね」
「あ~、うん・・・確かに大佐の言う通りっぽくなるのは想像出来ますね・・・」
ジェイドはそんな様子にまず無駄だろうと口にすると、アニスも力なく納得するしかなかった・・・もしかしたならローレライ次第ではティアを自分達から引き剥がせるのではないかという淡い期待があったのを諦めるよう。
『取りあえず話を続けるが、以降はこの鍵に憑く形で我はそなたらに付いていきたいと思っている。その理由としてはそちらに付いていき手助けをすることが我やユリアの本懐を達成出来る可能性が高いと見たからだ』
「貴方とユリアの本懐、ですか・・・その辺りについてと何故貴方が地核にいたのかについてを話していただけませんか?その経緯についてを聞ければこちらも貴方を信ずるに値するかを判断出来るかと思いますので」
『分かった。話そう』
その会話についてを突っ込む事なく話を続けるローレライから出てきた本懐との言葉にジェイドがそこを聞きたいと言うと、了承と共に話し出す。ローレライが地核にいた理由とユリアの行動についてを・・・


















・・・そうしてローレライより語られていく歴史の真実に一同は驚愕していくしかなかった。ユリアとローレライは元々預言を滅びを避けるために詠んだ物だったが、それを正しく認識されずに真逆の物だと認識されてフランシスという弟子にもその存在を利用され、脱出した後に辿り着いた自身の子孫がいるホドでこれ以上ローレライを利用されないようにすること及び未来に賭けるためにパッセージリングから鍵ごとローレライを地核に落とし、そしてユリアはホドにてその生を静かに終えたという話に・・・



『・・・その時には最早ユリアや我の預言はこういう物だという言葉は嘘だと考える余地もなく断じられ、ホドに着いた時にはもうユリアの体はボロボロで年齢の事もあって長く生きられないのは確実であった。故に我は下手な所に隠れても執心な教団の信者達に見付かり、有無を言わさず使い潰されて消える事になりかねない可能性が有り得たことから遥か未来に我が地核から出られる可能性に賭け、ユリアは我を地核に鍵と共に投げ入れたのだ』
「・・・そして先のタルタロスでの地核の突入の折りで、自身の脱出及びユリアや貴方の悲願が達成出来ると考えたから我々に鍵と貴方の解放を託したということですか」
『そういうことだ』
そうして話が終わりジェイドの確認の問い掛けに肯定を返すローレライに、他の面々も神妙な顔を浮かべていた。そんな事情があったのかと受け止める形でだ。













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