見つけ暴かれて

・・・アルビオールに乗り、ローレライ解放にと向かうルーク達。その為に外殻大地上でローレライを解放するのは第七音素を近くにまで届かせるのはキツいだろうことや、魔界の様子を見ることも兼ねて魔界に降り立って行うことになった。ユリアシティでやるかとなった所にアッシュが今なら降下した土地がある上で、前からユリアシティ以外に魔界で唯一残っていた場所であるレムの塔という所の近辺なら他に誰もいないことから、邪魔が入ることはないだろうということでだ。

そうして外殻大地上から魔界にアルビオールで飛び込んだ一行はアッシュの案内の元、レムの塔まで向かい到着した。






「・・・一先ずは魔界の様子は問題ないようですね。障気に関しては特に周りに漂っているということはありません」
「ただやはり遠くに見える空には違和感を感じますわね・・・土で閉じた空の上に開いた青い空・・・あのような光景はこの目で見ても未だに信じられませんわ・・・」
・・・それでレムの塔の前辺りでアルビオールを降ろし大地を踏み締め降り立つ一同の中で落ち着いたジェイドとは対照的に、ナタリアは遠い空を見上げながら改めてというように漏らす。外殻大地が空を浮かんでいるという事実を落ち着いた状態で改めて見た上で、いかに異質でそれを知らず平然と過ごしていたのかを感じながら。
「・・・では早速ローレライの解放に取り掛かりたいと思うが、今回は俺がやる。その上で他の者達は少し離れていてくれ。何かないとも限らんし、その時は対応出来るようにと構えていてほしい」
「分かった・・・んじゃ離れようぜ」
そんなナタリアの声を取り上げることなく早速とアッシュが鍵を取り出しつつ解放と口にし、ルークがジェイド達に声をかけると頷いてアッシュを囲むように距離を取る。
「・・・では行くぞ!」
そうして所定の位置に全員がついたといった状態になったのを確認し、アッシュは鍵に集中させるように第七音素を集めていく。するとみるみる内に第七音素は集まっていき、アッシュは鍵を両手で握り上に抱えあげた後に・・・地面へと突き刺し、地面に超振動を放った。ローレライへと届かせるよう、力強さを感じさせる光を見せながら。



(『これでローレライは来るんだろうけど、紫の事とかちゃんと知った上で合わせてくれるんだろうな・・・』)
(ちゃんとその辺りはローレライも分かっててやるとは思うけど・・・おっ、来たか)
その光景を見ながら『ルーク』が再度微妙な不安を感じると漏らす中、ルークが大丈夫だろうと漏らす中で鍵の先から現れた光・・・ローレライが地上に現れたのを大した感慨も感じることなく確認した。



『・・・よくぞ我を解放してくれた、感謝しよう』
「あ、貴方がローレライなのですか・・・!?」
『うむ、そうだ』
それでローレライはレムの塔の扉の前に留まるように宙に浮かびながら言葉をかけてきたことに、イオンが代表となるような形で確認を取るとあっさりとした肯定が返ってくる。
「すみませんがイオン様、まず真っ先に聞きたいことがあります・・・こうして地核から出てこれた貴方ですが、こうやって解放されたからハイさようならだとか、我々の敵になるようなことをするつもりはありますか?」
『そんなつもりはない。むしろ我はそちらに協力したいと思っている上で、我とそちらの目的は合致している・・・故にこれよりは我も共に行動したいと思っている』
「ほう・・・そういった返事が聞けたことは嬉しい誤算ですね」
ジェイドはそんなイオンより先に質問をすると切り出した上で問いを向けるが、ローレライがキッパリと口にした答えに微笑を浮かばせた。予想以上のいい答えが返ってきたというよう。









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