行く先を見て決めるべき物

「・・・取りあえずこの話に関しては不審な事があると思っているとだけ思ってもらえればいい。キムラスカがモースを遠ざけられない理由は何なのかに関してはこちらの関与する事ではないからな・・・だから話を戻すが、取りあえずはそういうことからキムラスカとの内密の会談にまでは持っていくことは可能だろう。だがだからと言って今日このままバチカルに直行というのはそちらもやることをやって疲れただろうし、何より鍵について本物かどうかを調べる時間が欲しいのもある。だから今日はここに泊まっていくといい。特に鍵が本物かどうか分かったならこれからどうするべきかの方針も決めやすくなるだろうからな」
「・・・分かりました。お言葉に甘えさせていただきます」
ピオニーはその話の流れを変えつつ今日は様々なことから泊まっていくようにと言い、イオンを始めとして他の面々も反対する理由がなかった為に素直に頷いた。






・・・そうしてルーク達は前にも使っていたグランコクマの客室に案内され、ルークとアッシュはミュウを鍵を預けた兵士に付いていって待っているようにと頼んで離れたジェイドと向かい合っていた。
「・・・ピオニー陛下があんな風にモースのことを言ったことって、これからいい方向に働くと思うか?」
「少なくとも私は我々にとって悪い方向には働かないと見ていますし、ナタリアにとっても悪くはない方向になると思います。と言ってもピオニー陛下の疑心はこの事を指していたのかと何も知らないままに事実を知らされるより、予感めいた物を感じさせられたといった程度の違いくらいですが」
「微妙って言いたいけど、まだマシだって思えるだけいいかもってことか・・・」
ルークはそこで早速とピオニーの考えについてどうかと問い掛け、ジェイドの返答に何とも言いがたそうな様子を浮かばせる。ナタリアに限って言うなら結果的に本当に少ししか良くなっていないだろうと。
「その事に関してはともかくとしておくが、鍵の研究が進んで本物と断定出来たと判断出来たならローレライの解放についてはいつにするというように言う?」
「グランコクマを出立した後の最優先にしようと切り出します。これに関しては後に回しても我々からすれば何の意味もないどころか、後に回して前の謡将が地核に落ちた後のような状況になるのは我々からしてもごめんですが、紫もその時私達に協力というかルークをこちらにこさせるとは思いませんからね」
「あぁ・・・紫の事だからこっちのことを知っても、俺に何も言わないだろうってのは有り得るか・・・幽々子の事もあるから、また長期間俺がいなくなるってなるのは避けたいだろうしな・・・」
続けてアッシュがローレライの解放についてを質問すると最優先にするべきと話す中で紫のことを口にしたジェイドに、ルークも何とも言いがたそうながらも否定を返せなかった。紫はまずその時にジェイド達に善意からの協力やルークの再派遣などしないだろうと。
「えぇ。そうなれば正直なところとして私とアッシュくらいしかまともに戦えないでしょうから、最悪とどめを刺しきれず地核に落ちてしまった場合を考えるとローレライは早めに解放をしておきたいですからね。ですので変に言い訳を探して後回しにするより最優先で解放に動くべきだと思います」
「・・・確かにまどろっこしく後回しにするよりはその方がいいか。後々に厄介になるよりはな」
そして話を続かせたジェイドの考えを聞き、アッシュも確かにと頷きを入れる。別に今解放しない方がいい理由もないと。









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