行く先を見て決めるべき物

・・・そうしてアルビオールに乗ったルーク達はタルタロスから離れるように飛び立っていった。






(『・・・さっきのローレライの話の感じからして、こっちの事情については把握しててて敢えてあんな感じにしてたと思うか?』)
(多分な。向こうからしたら最低限言うことを言って変にこっちの事についてを言わなかったって感じで、話を終わらせたって感じたし)
(『だよなぁ・・・』)
・・・それでアルビオールの中で『ルーク』の疑問の声に、ルークが返した答えに納得する。敢えてローレライはルーク達の状況を把握してて先程のように話をしてきたのだと。
「あの、ジェイド・・・先程ティアに憑いた光は、本当にローレライだったのでしょうか・・・?」
そうしていた時にイオンが何とも言いがたそうな空気でローレライなのかと信じきれてないといったようジェイドに問い掛ける。
「・・・まだ断定は出来ませんが、アッシュが手にした鍵を調べればあれがローレライであったかの信憑性は良くも悪くも変わるでしょう。ですからグランコクマに着いたなら一先ずそれを調べてみようかとは思いますが、私としては先程の存在はローレライではないかと思っています」
「えっ、それはどうしてですか?」
「ティアの体を覆っていた光が第七音素であったことを確認したこともありますが、単純にあんなことを出来るような存在が他にいるのかということを考えてです。私の中では他にあんなことが出来るような既存の存在について心当たりはないのですが、イオン様や他の皆様には心当たりはございますか?」
「・・・そう言われると、確かに心当たりはありませんが・・・」
その問いかけに可能性が高いと言いつつ否定材料についてを周りも含めて問い掛け返すジェイドに、イオンだけでなくナタリア達も眉を寄せて難しいといったような表情を浮かべる。
「そう、あの存在がローレライではないと否定出来る証拠などありません。そして同時にアッシュに渡された鍵は本当にローレライなのかどうかを見定めるための証拠となります・・・ですので一先ずはあの存在がローレライかどうかは鍵を調べるまでは保留にしましょう」
「でも大佐~・・・鍵もローレライも本物だったとしたなら、その時はローレライをどうするんですか~?あの言葉通り地核から解放するようにするんですか~?」
「その辺りは陛下に報告してからになりますが、先程のローレライの言葉とその様子を思い出す限りではこちらに仇を為す危険性は低いでしょうし、却って何があるか分からないから解放をしないとしても鍵をどうするかと扱いに困ることになります。今まで歴史上の中でだけ聞かれた物がそういった経緯で見付かったと発表したなら熱心なローレライ教団員ならばこそ何故解放しないと言われるのは目に見えていますし、かといってたまたまここでこう鍵が見付かったなどと嘘をついたとしたならそれこそ熱心なローレライ教団員はダアトが保管したいと言い出してくるでしょうし、鍵の存在を公表しないと決めたとしてもマルクトとしては研究材料としてしか活用方法など見出だせませんからね」
「あ~・・・鍵がありましたでそれで終わりなんて話にならないのは目に見えてるから、マルクトからしたら鍵を使ってローレライの解放をした方がいいって大佐は思ってるって感じですか・・・」
「えぇ。それだけという訳ではないですが、本物ならばこそ鍵をもて余すのは余計に目に見えてますからね」
ジェイドは鍵について調べてからになると言うがアニスが本物ならどうするかと聞いてきた為、自身としては鍵を使う方がいいと考えているとの考えを迷わず口にする様子に何とも言いがたいというように理解出来ると漏らす。










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