異となることをした影響

(・・・そうして俺は色々と話をしていったんだけど、口がそんなにうまい訳じゃない俺はすぐに反論出来なくなったんだ。そしてそのままそこに住んでったんだ、行くとこが無いならここにそのまま住めばいいって)
(『それで三十年近くか・・・あれ?その割にはお前俺と会った時、今の俺と全く変わらない姿だった気がしたんだけど・・・』)
そんな経緯からそこにいるように言われたとのルークの言葉に、ふと『ルーク』は会った時の年格好についての疑問を向ける。なんで全く歳が変わらない姿なのかと。
(紫が言うにはちゃんと生きた肉体を持って幻想入りした訳じゃなく概念が幻想入りしたような物だから、精神的にはともかくとしても肉体的には歳を取らないような体になってるんだっつってた。だからこの三十年近く幻想郷で過ごしてきたけど、俺は肉体的には全く歳を取ってないんだよ)
(『ん~・・・話だけ聞くと歳を取らねぇってすげぇってなるけど、お前を受け入れた奴は歳を取るような奴なのか?』)
(その辺りは別に歳を食うような奴じゃなかったから、今も昔と姿形は変わってないな。つっても幻想郷の有力者って一部を除いて人間じゃない存在ばっかりで、人間の有力者の方が珍しいくらいだからな)
(『そんなもんなのか・・・つーかナチュラルに流してたけど、寝床に入られるって女じゃねぇと色々とあぶねぇ気がするんだが・・・』)
(・・・それは正解だよ・・・実際恥ずかしくてたまんなかったよ、あの時は・・・)
その理由は何故なのかについてを話す中で『ルーク』が相手の性別についてを口にしたことに、恥ずかしそうに返した。当時の事を思い返しながら。
(・・・ま、まぁ今言った有力者の事に男は少ないどころか、表立つような所にはいないんだけどな。他の幻想入りした中に男の実力者がいて、その中に紫も敵対したくないって言ってる奴がいるけど基本的に女ばっかりだし・・・)
(『露骨に誤魔化そうとしてんな、お前・・・まぁそこんとこは気にしないでいくけど、そういう理由だったのか・・・』)
(まぁな)
(『・・・本当に色々あったんだな、お前』)
(まぁな・・・俺って言うか、元々の俺はもうアッシュと一つになってるから自分って存在が正しいものかどうかってことが分からなくなった事もあった。けどそんな俺を幻想郷の皆にあいつらは受け入れてくれた・・・これからどうなるのかは分からないけれど、俺はまたあいつらと一緒にいたいって思えるよ)
(『・・・ま、頑張ろうぜ。俺に何が出来るか分からねぇけど、俺としてもお前が無事に肉体を得て帰ってもらいたいって気持ちが出てきたしよ』)
(ありがとな、『ルーク』)
そんな流れを無理に変えつつも自分の気持ちを正直に、それでいて真摯に語るルークに『ルーク』も真剣に返した。自分も頑張りたいという気持ちを乗せて。


















・・・そして時間は経ち、始まりの時が訪れる。同じようでいて、別物の始まりの時が・・・



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