迷いと決意と揺れ

(『・・・つってもティアをどうこうなんて出来ないだろうし、もうこれで進ませるしかないんだよな・・・せめてなんかプラスに考えることが出来るとしたならティアが危なくならないで済むだろうって事と、いざというときにティアに戦闘経験がつかないで苦戦しないって思うようにすればいいだろ』)
(あ~・・・そういう見方をするなら確かにまだマシか・・・そんな事になった時に変に苦戦させられても困るだけだしな・・・)
そういった空気の中でポツリと考えを変えるようにと『ルーク』が口にしたことに、ルークももしもの事を考えれば確かにと漏らす。ティアが弱ければその時は確かに楽ではあると。
(・・・というか考えなきゃいけないっていうのもあるけど、もしティアが師匠に味方せずに生き残ったとしたなら前も言ったけど、本当に神託の盾を辞めさせる必要はあるだろうな・・・前々から話に出てはいたけど、あれで兵士としてやっていくのも上の立場に立つのは無理だろうからな・・・)
(『十中八九とかそんな話じゃなくその後どうしていいか分からないと言ってきそうだけど、オッサンもいない状況で最前線送りにされるみたいな話をしたら辞めますって勢いで言いそうだけどな・・・そして生きる目的も何も無くなって脱け殻になるか、ユリアシティの市長かそこに近い奴ら以外の言うことしか聞かないまま生きるしか出来なさそうだけど・・・まぁどうなるにしたって、ティアのこれからに関しては良くならないだろうな』)
そんなティアに改めて兵士を辞めてもらうようにしたいと言うルークに、『ルーク』は同意しつつどうなっても未来は暗いだろうと漏らす。それだけティアには先はないだろうという気持ちを持ちながら。



















・・・そうしてティアについて表面上でも内心でも様々に穏やかでない事がありつつ、ルーク達はザオ遺跡のパッセージリングの中に進んでいって操作を終えることになった。

そうして外殻大地が降下するのを確認しつつザオ遺跡を後にして行き、続けざまにタタル渓谷の方へと向かうことになった。あまり時間をかけても意味がないことに加えて、早めに行動してグランコクマに戻るであったりシェリダンに行けるようにしようというような狙いからだ。

そういったことから続けざまにタタル渓谷に向かったルーク達だが、イオンの道案内に加えてユニセロスがティアの体内に滞留していた障気に反応して出てくることがなかった為、特に足を止めるようなこともなく操作盤の前に辿り着き操作を終えた。



「・・・順調ですね。取り敢えずこれで他の外殻大地への負担も減り、一気に崩壊といったことにはならないでしょう。ですのでこの辺りで一度グランコクマに報告の為に戻りたいと思いますが・・・よろしいですね?」
「あぁ、それでいいだろう。今のバチカルの情勢が気になる所だからな」
「お父様達が分かっていただけたのならよろしいのですが・・・」
そうしてジェイドが話をまとめるようにしつつグランコクマに行くと切り出し、アッシュとナタリアが各自の気持ちを漏らしていく。アッシュは淡々と、ナタリアは切実な想いを滲ませるよう・・・




















・・・そんな風に二つのパッセージリングの操作を終えたこと自体は順調に進んだ。ただやはりティアの事があった為にアルビオールの中ではろくに会話が交わされることはなく、心なしかギンジも居心地の悪さを感じてかアルビオールの速度を上げていたように窓の外の流れる景色からルークは感じていた・・・









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