迷いと決意と揺れ

「・・・どうした、お前達?」
「いや、ちょっとこの先に行く手がかりを探してただけだけど・・・そっちはアニスとティアが残ったのか?」
「あぁ・・・と言ってもアニスは導師守護役としてと言うのに対し、ティアは言葉面は取り繕ってはいたがわざわざ私が行く必要がないならというように残った」
「あぁ、そうか・・・」
そんなことを話していた二人の元にアッシュとナタリアの二人が来たのだが、ティアについてを聞いたルークは何とも言い難いといった声を漏らすに留める。
「・・・その辺りに関してはもう構いませんので、先に行きましょう。少し調べてどうにか出来ることが分かりましたので、今は早くパッセージリングのデータを取るのと同時にここのリングへ先に情報を書き込んで謡将達に行動をさせないことが大事ですからね」
「ですが・・・!」
「貴女がティアの態度に対して不満を持っているのは見ていて分かりますが、彼女の事でここで時間を使ってもデータを取って戻るのが遅れるだけです・・・一先ずは先に進みますよ」
「・・・はい・・・」
ジェイドは冷ややかにそんなティアに関して気にすることないと話を進めようとしてナタリアは食い下がろうとするが、優先事項はそこじゃないと言われて渋々といったように返す。



(『・・・何かこの後、ナタリアがティアに言いそうな気がするな・・・』)
(むしろあのティアと今までぶつからなかった方が不思議ってくらいだから、そろそろ有り得そうなんだよなそれは・・・)
ただそんなやり取りを見たルーク達は嫌な予感を感じていた。二人がそろそろ衝突しあう兆候なのではないかというように・・・


















・・・そんな不安をルーク達が抱く中で一同は先に進み、パッセージリングのデータ取りと命令の書き込みを済ませてアルビオールへと戻った。

ただ乗り込む際にジェイドがナタリアに「ティアに何か言いたい気持ちはあるかもしれませんが、我慢してください。アルビオールの速度から考えると貴女方の話が長くなってシェリダンに着くまでに決着が着かなかったらギンジにも迷惑がかかります」と言ったことで、一先ずは不満を我慢させる形でアルビオール内では何事もなく済んだ。

そして程無くして、アルビオールはシェリダンへと辿り着いた。






「おぉ、データを取ってきていただきましたか!これで我々の研究も大詰めにすることが出来ます!」
「それはよろしいのですが、目下の所データが来たことでどれくらいで研究を形に出来るかの目算は出来ますか?その時間次第では我々の行動も変わってきますので、大体で構いません」
「そうですな・・・どんなにかかっても二週間もかからないとは思われます。ただどう早く見積もっても一週間くらいは時間は必要です」
「一週間以上、二週間未満ですか・・・それなら順調に進めば問題なくいけそうですね」
・・・そうして集会所に来た一同はイエモン達の笑顔の出迎えを受ける中でジェイドが冷静に確認の声を向けると、すぐに冷静に時間を見積もり考えを口にして来たことに満足そうに頷く。
「では一先ず我々は今日はシェリダンに泊まり、しばらくしたならまたこちらに参りたいと思います。我々は他の用事を済ませて参りますので、おそらくその時の前後くらいには来れると思いますので」
「分かりました。出来る限り手を尽くして早く完成させた上で皆様をお待ちしたいと思います」
それで簡潔にこれからどうするかを答えたジェイドに、イエモンもまた早く動くと答えた。互いにやるべきことはやるという意思を確認しあうように。









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