迷いと決意と揺れ

(『つーか分かってんのか、残りの面々は?そんな風にティアを大人しくさせるための方便的なもんだってよ』)
(多分アニスはそうだって思っていて、ナタリアは本当にそうなら少しは考えるって思ってるくらいで、イオンは本当にそうなってほしいとは思ってはいるだろうな。まぁその辺りは師匠との対峙の時でどうしようもないってなるというか、戦わなきゃならないってなるだろうからティア以外はまだ大丈夫だろうとは思うけど・・・やっぱりその辺りでティアが師匠をどうにか出来るっていうか、したいから疑いたくないって見えるのがな・・・)
(『そんなもんもう今更だろ。自分の理想ばっか見て、周りの事なんか見ることも考えることもしようとしない・・・現実を見てどうなるかってのはもう実際にその時になるまで待ってもらって、そしてどうするかを決め手もらわねーといけねーんだからな』)
そこから他の面々はどうかと口にする『ルーク』に答える形になるルークだが、やはりティアだけがあまりにも物を見なさすぎているといった気持ちに二人はなるしかなかった。ヴァンがどういう人物なのかについてを考えてないと・・・


















・・・そうして色々と考えを深める中で一同を乗せたアルビオールは然程時間をかけることなく、シェリダンへと辿り着いた。



「・・・おぉ、ちょうどよかった。皆様方が来るのを待っていた所です」
「・・・何かあったのか?」
それでシェリダンに入り集会所に向かった一同は、ルーク達を見付けて喜色を浮かべるイエモン以下の研究者達の姿にアッシュが先を促す。
「いえ、禁書に関しての研究は進んで形に出来るかもしれないという概算は立ちました。ただその中で一つ、パッセージリングについて少しデータを取らなければ禁書の中身を実現するには些か難しいと言う話になったのです。それが出来なければ完全に我々の研究は実を結ばないと言うことで・・・」
「成程・・・要はそのデータ取りを俺達にやって来てほしいと言うことか。パッセージリングの場所が分からないことに加え、アルビオールがない今の状態では自分達ではどうしようもないからと」
「そういうことです」
イエモンが今の自分達の状況はいかなものかについてを説明し、アッシュがその中身から自分達に求められている物が何かと察すると頷いて返される。
「いいだろう。そういうことならこちらとしても是非とも協力しなければならんことだ。そのデータ取りはやらせてもらう」
「おぉ、ありがとうございます!」
「礼はいいが、それより俺達がここを出て以降何か変わったことはないか?そちらに何か不都合があったかもそうだが、キムラスカだとか何か不審な事とかだ」
「不審な事ですか?いえ、特にありませんでしたが・・・」
「そうか・・・なら一先ずは問題は無さそうだな」
アッシュは勿論というよう協力をすることを口にしてイエモンは喜色を浮かべ頭を下げ、アッシュがすぐに話題を変わったことについてに変えると特にと返ってきたことに一つ頷く。
「・・・取り敢えずデータとやらを取りに向かいたいのだが、どうすればいい?」
「おぉ、そうですな。では説明致しましょう」
そうして納得した後に話題をデータについてに変え、イエモンもすぐに後ろに置いてあった計測器に視線を向ける。









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