迷いと決意と揺れ

・・・グランコクマにてピオニーとどのように動くのかを話し合ったルーク達。それでしばらく話をした後にルーク達はグランコクマを後にして、一路アルビオールに乗り込み次の目的地へと向かうことになった。






「・・・さて、シェリダンに一先ずは戻りますが現在どれくらい研究が進んでいるかは分かりません。まぁ禁書を見て共に研究をした限りではそこまで時間はかからないと思いますから、今頃は取っ掛かりくらいは出来ているとは思いますよ」
「そうだといいんですが・・・」
アルビオールの中でジェイドが謁見の間で決まったことについてと話していく中、イオンがその通りになってほしいとなんとも言いがたそうに漏らす。
「・・・そしてその経過次第って部分はあるけれど、いくつかのパッセージリングを魔界に降ろして障気をどうにかしたならバチカルに行くって段取りにするって話ですけど・・・それはあくまで余計な邪魔が入らなかったらって話ですよね?」
「えぇ・・・と言っても邪魔してくるとしたなら現状ではモースと謡将くらいしかいません。そしてそのモースも半信半疑といった状態となっているだろうインゴベルト陛下達の工作やシュレーの丘のパッセージリング付近の大地の降下により、いくら彼でも簡単には動けない状態になっていることでしょう。ですので目下何かをしてくる可能性があるとするなら謡将以外にはいません」
「っ・・・!」
それでアニスがそれからの流れについてを確認していく中でジェイドが目下危険なのはヴァンというように話をしていくと、やはりとティアが怒りを我慢するようにしつつも敵意を浮かべた表情を向ける。
「・・・貴女のそんな表情にはもう慣れましたが、こうも考える事は出来ませんか?もし事がうまく進めば我々は謡将達の企みを挫くばかりか、彼らの改心を望めるのではないかと」
「はっ・・・!?」
だがそこで呆れたような様子を見せながらもジェイドが考えを変えるようにと言ったその中身に、ティアもハッとした様子を浮かべた。そんなことなど考えたことなどないというのがありありと分かるよう。
「言っておきますが、確実にそうなるとは限りません。ですが彼らも彼らなりの考えがあって動いてはいても、それが実行不可能とあればいかに彼らでも諦めざるを得ない可能性も出てきます。無論今言ったように絶対にそうなるとは限りませんが、絶対にそうならないとも言い切れませんし貴女としてもそう言ったことになり得るかもしれないと考えた方がいいと忠告させていただきます。その方が色々と穏やかに進むと思いますよ」
「っ・・・そういうことなら、そうします・・・」
更にこういったことになり得るといった可能性を口にしていくジェイドに、ティアは難しい顔をしながらも今までにないような形で納得するように強い気持ちを浮かべながら頷いた。明らかにヴァン達に対しての希望が見えたからこそ、それに惹かれたと言うように。



(『明らかに分かりやすく引っ掛かったよな、オッサンが助かるみたいな道があるんじゃないかみたいな声に』)
(引っ掛かるっていうのは分かってたようなもんだけど、なんだかなぁ・・・って気持ちにはやっぱりなるよなぁ。今まで散々俺達に反目してたのにって気持ちには・・・)
そしてそんな様子に『ルーク』は隠すことなく呆れ、ルークも力ない声を漏らすしかなかった。明らかに都合が良すぎる上に、単純すぎて疑問を一切感じていないといったティアの様子に。









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