異となることをした影響

(『まぁそこもまた二人と合流してから本格的にって事なんだろうが・・・本当に紫は手伝ってくれねぇんだな。あいつがいりゃすぐに事態は解決しそうなのによ』)
(あ~・・・と言うよりはそもそもここまでやってくれてること自体が紫は珍しいんだよ。元々から紫は幻想郷の維持以外の活動だと気まぐれにしか動かないし、何だったらそう重大じゃなかったら事を丸く納めるどころか引っ掻き回す方だしな)
(『それでもこうまでしてくれるのは、お前と一緒に暮らしてて頼んだ奴の為にってことか・・・』)
(まぁ一応俺の意志も尊重はしてはくれてるけど、俺の意志が無かったらマジでさっさとお前の記憶消して融合させて幻想郷に帰るで終わりにしてたろうしな・・・この辺りはオールドラントで産まれた一応人って立場の俺と、幻想郷を作って愛してやまない妖怪の紫じゃ考え方も思想も違うのは当然っちゃ当然なんだよ)
(『妖怪か・・・ついつい人の姿してっから特別な能力を持っただけの女って思ってしまうけど、人間じゃないんだよなあいつ・・・』)
そんなアニスの話題を紫についての物へと変える『ルーク』だが、紫の事を付き合いから知るルークの言葉にしみじみと感じ入るように漏らす。本当に人じゃないんだと。
(まぁ手助けは期待は出来ないけど、紫なら度々様子を見に来るかこっちを覗いてるだろうから何かあればその時に言うよ。つっても手助けはあんまりしてもらうつもりはないんだけどな・・・)
(『どうしてだ?』)
(幻想郷についての説明は聞いただろ、人や妖怪や神とかそんな種族の違う奴らが住んでる所だって。そんでもって人里って所にいれば基本的に妖怪は襲ってこないけど、肉体的な意味合いでも精神的な意味合いでも妖怪は人間を食料にしてる・・・そしてそれは人里から出てる人間なら襲っても問題はないとは言わないにしてもルールには反してないから人里から出た人間は狙われるんだけど、それだけじゃ幻想郷を成り立たせるシステムとしての面もある妖怪の存在の維持に不備が出る可能性もある・・・だから紫にその配下が幻想郷の外から拐ってきても問題のない人間だったり悪人なんかを拐ってきて、妖怪の食料にしてるって面もあるらしいんだよ。俺はその場面を見たことはないし確証はないけど、有り得ないことじゃないとは思う・・・)
(『マジか・・・ってことはお前、その食料の問題の為にこのオールドラントから人を拐っていく可能性を考えてるってのか?』)
(まぁな・・・さっきも言ったけど紫は妖怪だし、幻想郷の為になるなら手段を問うようなことをしない面も持ち合わせてる。ただそれでも俺や他に幻想入りした住民の事があるからそう言ったことには慎重になってはいるらしいけれど、そういったことをやらないとは限らないんだよな・・・)
(『・・・それを止めるために動く気はないのか?』)
(そうしたい気持ちがあること自体は否定は出来ない・・・けど幻想郷の仕組みに妖怪も生きているということもあって、紫も必要だからやってる・・・昔の俺だったらお前わりー奴だろみたいな感じに何も知らないから言えたとは思うけど、幻想郷って場所で暮らしてきてあそこの事を気に入ってる・・・だから止めたいと思う気持ちはあるけれど、そうしてはいけないって考えもあるんだよ・・・)
(『・・・お前の立場からすりゃ複雑だけど、割り切るしかないってことか・・・けれど自分の目の前でそんなことが起きてるのも見たくはない、と・・・』)
(そう言うことだよ・・・)
それから紫の手助けをあまり借りる気はないというルークの様子に何故と聞くのだが、進んでいった話に苦くも『ルーク』は納得するしかなかった。紫の行動を批判は出来ないし止められもしないが、せめてそれを目の前では見たくないという気持ちがありありと伝わってきた為に。









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