思いの在り方と思想の在り方

「・・・さて、謁見の間ではあんなことを言ったが今も超振動は使えるか?」
「あぁ、それは問題ないよ。ホラ、この通り」
二人だけの部屋にてアッシュが向かい合う中でどうかと聞くと、ルークは両手を胸の前に空の皿を抱えるように置いて超振動の光を発生させる。
「・・・問題ないようだな」
「あぁ、これに関しては正直心配してなかったよ。力に関しては幻想郷でも使えることは使えたからな」
「第七音素があるのか?幻想郷には」
「いや、幻想郷で生活していって俺にも能力があるっていうか付いてるって言われたんだよ。ズバリ能力として言うと超振動を使える程度の能力っていう、そのまんまな能力だけど・・・能力になったおかげか第七音素が無くても幻想郷なら使えるってのが分かった代償に、俺の体がまずいってなるきっかけにも同時になったんだよ」
「・・・どういうことだ?」
アッシュもその光景に安堵をするのだが、ルークが光を収めると共に能力と体について同時と言ったことに首を傾げる。
「簡単に言うと幽々子がとある騒ぎを起こしてそれを解決しに来た人達がいて、その時の攻撃を防ぐために咄嗟に意識せずに超振動を使ってしまったんだけど・・・使えるのが分かったと同時に、俺の腕がその時に透明に透けたんだ」
「・・・それでその時の事から超振動を使えはするが、体が危険だと分かったと言うことか」
「あぁ・・・最初は誤魔化そうとはしたんだ。けど俺の態度ですぐに俺がおかしいって気付いた幽々子や紫の行動から、俺の体の事がバレたからそうなったんだ・・・まぁ体に関しては前に話したけど、そういったことから超振動を使うには別に苦労はないんだよ。そして紫が言うにはちゃんと体を得られたなら超振動を幻想郷で使っても問題はない事だって話だけどな」
「成程・・・そういうことだったのか」
ルークはいかにして自分の体と超振動についてを知ったのかに関してを話し、アッシュはその中身に納得する。超振動を使えることと、体についてに知った経緯に。
「・・・済まなかったな。そんな事情があったとはいえ、辛いことを思い出させるようなことをして」
「いや、大丈夫だよ。もうその事は受け入れてるし、実際に前のことを考えるとアブソーブかラジエイトのどっちかのゲートに俺達のどっちかが行かないといけないかもしれないから、その可能性は考えないといけないしさ」
「あぁ、それは有り得るが・・・その時は俺かお前かのどちらかがいないということから、戦力の低下は避けられんだろうが・・・」
「最悪残りの六神将の三人も同時にその場にさえいなかったら、どうにかなるっていうか俺が師匠の事をどうにかしてみせるさ。ただ師匠よりも問題なのはやっぱりティアだよな・・・」
「あぁ、そっちか・・・」
アッシュはそこから申し訳ないといった気持ちから謝罪をするが必要なことだとルークが返す中、ティアの名前が複雑そうに出てきたことにアッシュもまた複雑さを浮かべる。
「・・・正直、俺としちゃ師匠がどっちかのゲートにいるのかが確定した状況にならない方がありがたいと思う。やっぱり師匠のその後を考えると、その場で倒す以外の選択肢はないしティアの説得を聞くなんて有り得るはずがないし・・・」
「ならばこそいない方に配置といきたいのは分かるが、そううまくはいかんだろう。あの時はあくまでアブソーブに行ってからラジエイトに直行というように時間をかけずに強行軍で行くしかなかったから、戦力の分散などとても望めるような状態にないだろう。それに一番最悪なのはラジエイトにいないと決め付け、そちらにヴァンがいてティアが行った場合だ」
「あ~・・・確かに決め付けるのは良くないか、そう考えると・・・」
それでどうにかならなかというようにルークが声を漏らすが、アッシュが簡単にはいかないだろうというように返すその中身に引くしかなかった。確実性がないのだという言葉に。









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