それで港からベルケンドに向かう中で特に問題なく一行は進み、ベルケンドに辿り着いた。






「ここがベルケンドですか・・・」
「私もあまりここには来たことはないのですが・・・」
「悪いが話は長くはしていられん。このベルケンドは父上の領地と言うこともそうだが、ヴァンはここに滞在することもしばしばあった。今は下手にキムラスカに報告をされるのを避けるために時間を置いておきたいと思っている事からここにはいないだろうが、あまり時間をかけたくはない」
「そうなんですか、アッシュ？」
そうして街の入口に来てイオンとナタリアが話す中でアッシュのヴァンに対する説明を受け、イオンは目を丸くしつつ問い掛ける。
「あぁ。父上との関係が前々からあったからそれで自由にここを使えるようにとなっていたからな。とは言え今の状況もあって自身の手の者は残してはいないだろうが、それでも何かあるかわからないからここで時間をかけるのは得策ではない。早く目的の人物達を見付けて離れるぞ」
「はい、分かりました。行きましょう」
アッシュは肯定と説明をしつつ早く行くぞと言い、イオンも特に反論を返さずすんなりとルーク達も含んで頷いた。確かに必要以上に時間を使う理由はないと。






・・・そうしてルーク達が研究所の中を歩いていくと、その奥にい組の面々が固まっているのを発見した。
「なっ・・・！？」
そしてそれは向こうも同じような形でルーク達を見付けるのだが、スピノザは一行を見付けて絶句といった表情を浮かべる。
「・・・済まない、い組の三人だな？少し話をいいだろうか？」
「えぇと、そうですが・・・何でしょうか？」
「少々そちらと話したいことがある。出来れば話をしたいのだが・・・すまんが、少し離れていいか？俺はそちらのスピノザと個別に話がしたい」
「っ！」
アッシュはまずはと話を進める中でヘンケンが答えるのだが、途中でルーク達に振り向きつつ個別に話をと言ったことに対象のスピノザが息をたまらず詰まらせる。
「あら？そちらの方と知り合いなのですか、アッシュ？」
「あぁ・・・少し話をしなければならないことがある。スピノザの説得は俺に任せて後二人の説得は頼めるか？」
「分かったよ。取り敢えずお前とそのスピノザってじいさんは場所を変えて話をしてくれればいいから」
「すまんな」
「っ・・・！」
ナタリアがその反応に知り合いかと口を挟み真剣にアッシュが二人で話をしたいと言うと、ルークがすぐに許可を出したことで話が済んだことにスピノザの顔には焦りの色と冷や汗が盛大に浮かんでいた。


















・・・そうしてアッシュとかなり乗り気ではないスピノザが離れた所でルーク達は二人にどういった経緯があってここに来たのかを説明するのだが、その中身に案の定絶句といったような反応をしたものの基本的には善人である上に頭も良い二人はめ組との協力による研究に関してを受け入れると答えた。そんな事態になっているのならい組とめ組で争っている場合ではないと。



「・・・しかしアッシュはどうしたのでしょうか？明らかにスピノザという方と知り合いのように思えましたが・・・」
「その事に関しては我々もどういうことかは分かりません・・・何分あの方と我々二人は会ったことはなく、恐らくスピノザだけが何らかの形で会っていたのだと思いますが・・・」
・・・それで後はアッシュ達を待つだけとなっていた所でナタリアが二人はどうしたのかと漏らすのだが、ヘンケンがアッシュに対して気遣いを含めた表現をしつつも心当たりはないと返す。









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