思いの在り方と思想の在り方
・・・港から外れた所で待機していたタルタロスまで移動したルーク達。そこで待っていたマルクト兵に事情を説明して、ベルケンドにまで向かうようタルタロスに乗り込んだ。
「・・・なぁアッシュ。スピノザに関してはどうするんだ?」
「無論説得する。と言うより逃がさん。奴はヴァン達に協力する事で何とかなると思っているだろうが、結果はお前も知っている通りあの様だ。そして結果として後悔の念に苛まれて動くことになるが、そんなことにさせるつもりはないからそのまま二人と共に連れていく。勿論土壇場で裏切らんよう納得済みにさせる形でだ」
「やっぱりそうするかっていうか、そうなるよなそりゃ」
そうして二人だけの船室でルークがスピノザについてを話題に出すのだが、アッシュが決して逃がす気はないと言い切るその様子に同意を返す・・・やはりシェリダンでの悲劇とスピノザのその後に関しては二人にとっては未だに後味の悪い出来事であった為に。
‘ガチャッ’
「失礼します、二人とも」
「・・・どうした、導師にアニス?」
そんな時にイオンとアニスの二人が入室してきて、アッシュとルークは共に何の用かと視線を向ける。
「いえ、少し気になったことがあったのでお話をしたいと思って来たんですが・・・」
「何の話をしたいんだ?」
「その、アッシュにも関係はあるんですが聞きたいのはルークなんです」
「俺に?何を聞きたいんだよ?」
「聞きたいのはその、ナタリアについてなんですが・・・ナタリアがいないこの場だからお聞きしたいんですが、ルークはナタリアの事をどう思ってるんですか?なんというか今までの感じからルークはナタリアにこだわりというか、ナタリアからアッシュに向けられるような想いのような物が全く感じられないということから、今まで時折会ってきた筈の彼女のことをどう思っているのかと思いまして・・・」
「あ~・・・要はなんつーか俺が一緒の時間を過ごしてきた筈のナタリアに対して、今改めて考えたら妙にドライ過ぎねーかみたいな感じに思ったって所か?」
「はい、そんな感じです・・・」
そんな中でイオンはルークに対して聞きたいことがあるとナタリアに関することを抑えた表現ながら口にしていき、聞きたいことについての本質はこうじゃないかと察したルークに少し複雑さを滲ませ頷き返す。
「あ~・・・その辺りに関しちゃナタリアが嫌いだとかアッシュが出てきたからそんな感じになったとかじゃねーよ。俺からナタリアに対する態度はそんなに変わっちゃいねーと思うし・・・変わったのがどっちかっつったらナタリアの方だよ」
「ナタリアが、ですか?」
「正確に言えば自分の想いを本当に向けるべきだった相手のアッシュが見付かって一緒にいられるようになったから、俺の事にそんな気を向ける気がなくなったってだけだろ。そんでもって追加で言えばナタリアからしたら俺に対して悪びれた気持ちとかはなくて、俺が不満だとか何も言わねーから収まるところに収まったから今のような感じになったんだろ」
「・・・そんな風になって、ルークはナタリアに対して何か思うところはなかったんですか?」
「アッシュから話をされた時は俺は正直いっぱいいっぱいだったのに加えて、落ち着いた後にナタリアがそんな風にアッシュの方に行く姿を見てて感じたんだよ・・・元々別に嫌いだとかって訳でもなかったけど、異性として将来結婚しなくてもいいならそれはそれでいいかってな。だから俺的には別に思うところみたいな感じのは全くねーよ。これはマジな話だ」
「・・・そうなんですか・・・」
対してルークは面倒そうにしながらも自身がいかな気持ちをナタリアに対して抱いているのかを話していくのだが、あっさりとした淡白な様子の気負いが見えない姿にイオンは却って複雑さを増した様子になるしかなかった。そこまでルークからナタリアに対する気持ちがあっさりとしていることに。
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「・・・なぁアッシュ。スピノザに関してはどうするんだ?」
「無論説得する。と言うより逃がさん。奴はヴァン達に協力する事で何とかなると思っているだろうが、結果はお前も知っている通りあの様だ。そして結果として後悔の念に苛まれて動くことになるが、そんなことにさせるつもりはないからそのまま二人と共に連れていく。勿論土壇場で裏切らんよう納得済みにさせる形でだ」
「やっぱりそうするかっていうか、そうなるよなそりゃ」
そうして二人だけの船室でルークがスピノザについてを話題に出すのだが、アッシュが決して逃がす気はないと言い切るその様子に同意を返す・・・やはりシェリダンでの悲劇とスピノザのその後に関しては二人にとっては未だに後味の悪い出来事であった為に。
‘ガチャッ’
「失礼します、二人とも」
「・・・どうした、導師にアニス?」
そんな時にイオンとアニスの二人が入室してきて、アッシュとルークは共に何の用かと視線を向ける。
「いえ、少し気になったことがあったのでお話をしたいと思って来たんですが・・・」
「何の話をしたいんだ?」
「その、アッシュにも関係はあるんですが聞きたいのはルークなんです」
「俺に?何を聞きたいんだよ?」
「聞きたいのはその、ナタリアについてなんですが・・・ナタリアがいないこの場だからお聞きしたいんですが、ルークはナタリアの事をどう思ってるんですか?なんというか今までの感じからルークはナタリアにこだわりというか、ナタリアからアッシュに向けられるような想いのような物が全く感じられないということから、今まで時折会ってきた筈の彼女のことをどう思っているのかと思いまして・・・」
「あ~・・・要はなんつーか俺が一緒の時間を過ごしてきた筈のナタリアに対して、今改めて考えたら妙にドライ過ぎねーかみたいな感じに思ったって所か?」
「はい、そんな感じです・・・」
そんな中でイオンはルークに対して聞きたいことがあるとナタリアに関することを抑えた表現ながら口にしていき、聞きたいことについての本質はこうじゃないかと察したルークに少し複雑さを滲ませ頷き返す。
「あ~・・・その辺りに関しちゃナタリアが嫌いだとかアッシュが出てきたからそんな感じになったとかじゃねーよ。俺からナタリアに対する態度はそんなに変わっちゃいねーと思うし・・・変わったのがどっちかっつったらナタリアの方だよ」
「ナタリアが、ですか?」
「正確に言えば自分の想いを本当に向けるべきだった相手のアッシュが見付かって一緒にいられるようになったから、俺の事にそんな気を向ける気がなくなったってだけだろ。そんでもって追加で言えばナタリアからしたら俺に対して悪びれた気持ちとかはなくて、俺が不満だとか何も言わねーから収まるところに収まったから今のような感じになったんだろ」
「・・・そんな風になって、ルークはナタリアに対して何か思うところはなかったんですか?」
「アッシュから話をされた時は俺は正直いっぱいいっぱいだったのに加えて、落ち着いた後にナタリアがそんな風にアッシュの方に行く姿を見てて感じたんだよ・・・元々別に嫌いだとかって訳でもなかったけど、異性として将来結婚しなくてもいいならそれはそれでいいかってな。だから俺的には別に思うところみたいな感じのは全くねーよ。これはマジな話だ」
「・・・そうなんですか・・・」
対してルークは面倒そうにしながらも自身がいかな気持ちをナタリアに対して抱いているのかを話していくのだが、あっさりとした淡白な様子の気負いが見えない姿にイオンは却って複雑さを増した様子になるしかなかった。そこまでルークからナタリアに対する気持ちがあっさりとしていることに。
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