足を運び命を運び

・・・そうしてシェリダンに戻った二人はティア達というかナタリアにどういう会話をしていたかを悟らせる事なく過ごし、一夜を過ごした。それでルーク達は集会所に向かう・・・






「・・・済まない、来たぞ」
「おぉ、お待ちしていました」
そうして集会所に来てアッシュが声をかけると、イエモン達は一斉にルーク達に向き直る。
「結論は出たか?」
「はい・・・我々は貴殿方に協力したいと思います。色々と話をしましたが、やはりそのような事態になることは望まれる事ではないと考えましたので・・・」
「そうか。協力してくれるのなら感謝する」
「ですが少々問題がありまして・・・」
「何だ?」
早速と結論について聞くアッシュにイエモンは協力すると答えるのだが、問題もあるとの言葉に眉を寄せる。
「アルビオールに関してはまだ時間が必要だとは言いましたが、禁書に関して我々だけで研究するのは少し確実性に欠けますし時間もかかります。ですので少し外部からの協力が欲しいのですが、出来ればその者達への協力についてをそちらから頼みに行ってほしいのです」
「俺達から?そちらからの手紙などでは駄目なのか?」
「本来ならそうするのが正しいというか手間もかからずに済むとは思っていますが、何分我々とその者達はライバルという関係であってこういう事情があるからと協力を頼みたいと言っても、飛行機関の研究を我々に任されたということもあって素直に向こうが手紙だけで頷いてこちらに来てくれるとはとても思えないのです・・・」
「つまり、俺達にその者達の説得をしてきてほしいということか」
「はい。手間かとは思いますが、ベルケンドにまで行っていただきたいのです。我々シェリダンめ組と対を成すグループであるベルケンドのい組の説得の為に」
「ふむ・・・」
そうしてイエモンから出てきた問題はベルケンドの者達の説得をしてきてほしいという物であり、その必然性と自分達ではそう出来ない理由にアッシュは一つ頷く。
「・・・いいだろう、分かった。どうせ数日は待たねばならんのなら、その間にベルケンドに向かうのは悪くないだろう。それに禁書に関しては万全に調べあげてもらうのは必要だ・・・そのい組の説得に向かわせてもらおう」
「おぉ、ありがとうございます!」
「と言うわけだが、構わんか?」
「私は構いませんが、ベルケンドに向かう組とここに残る組とで分かれましょう。行き来で時間がかかるなら少し私はこちらで待機し、アルビオールと禁書に関する事の手伝いをしたいと思います」
「えっ?大佐、そんなこと出来るんですかぁ?」
少しの間の後了承を返したアッシュがイエモン達が頭を下げるのを見た後に後ろを振り返り確認を取ると、ジェイドが二組に分かれることと自分が研究の為に残ると言うとアニスは意外そうに目を瞬かせる。
「昔取った杵柄というヤツです。手助けが出来るならそれでいいと思っていますし、全員で行く必要はないと思いますから残りたい人は残って行く人だけ向かうという形でいいと思いますが・・・アッシュとルークの二人は説明の為にも向かった方がいいでしょう。やはり貴殿方の姿形は様々なことを説明をするのには適切ですからね」
「そうだな・・・なら取り敢えずジェイドはここに残ってくれ。誰が行くかに残るかは外で決めるわ」
「分かりました」
その理由を簡潔に説明した上で二人は行くべきだと言うジェイドにルークは頷いて出ると言い、了承をした後に一同は集会所を後にしていった。









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