「その辺りは仕方ないものとして考えていただくとして、そんな形でアッシュと共に退位はしたもののナタリアの積極性は変わりはせずに自分も何かやることはないかと度々跡を継いだ子どもに聞いてきたり、こういったことはどうかというような発案をしてきたそうです。ただ勿論というかそういった声は流すか考えておきますで実行に移さないことはしばしばだったそうですけどね」
「それは想像はつくけど、その子ども達がナタリアもそうだしアッシュの事をどう思ってるのかが気になるな・・・」
「流石にその辺りを直接聞くのはアッシュもどうかと思ったようですから聞いてはいないらしいですよ。普通の親子なら親の事が好きかといったことは日常会話で聞けるかもしれませんが、王族として好きかどうかもそうですがどちらの方がいいかと答えが返ってきたならナタリアの性格上ヒステリックになるのが目に見えますし、周りにその声が伝われば余計に面倒になります。王と女王の派閥争いというか、子どもの好意がどちらにあるかという意味でね」
「あ～・・・変な軋轢を産むのを避けるためにもアッシュは何も聞かないようにしてたのか。なら仕方無いか」
そんな空気を払うように話を続けるジェイドはルークからの子どもからの好意はどうかと聞かれ、聞けない状況にあったと返したことに納得する。下手に聞くのは色々躊躇われる物があったと。
「・・・少し話が色々と発展しましたが、それだけ彼も苦労してきたということです。その経験に裏打ちされたからこそ、あれだけの話が出来るということなんですよ」
「本当に色々と苦労してきたんだな・・・ただナタリアはそんな風に自分が現役で動き続けることにこだわるのを止めれなかったのかって思うのもそうだけど、その子ども達も含めて自分がどう思われてるかだとか考えなかったのか・・・」
「考えてなかったと思いますよ。言ってはなんですが、彼女単純ですからね。それに彼女が発案したことに関しては全部が全部スルーであったり、ダメだと案を却下だけしていった訳ではなく使えそうな案ならちゃんと練り上げて使えるようにはしたそうですからね。一応はそういったことをしなければ彼女の面子を損なわせる以上に、プライドを刺激して激怒させて面倒な事になりかねなかったのは目に見えていましたから」
「あぁ・・・そういったことからナタリアのプライドは守られることになったんだろうけど、それに気付かなかったってのがなんか悲しいな・・・」
「そういった人の細かな機微に関しては彼女の察しが鈍かったのは貴方も知っているでしょう。だからこそそれでうまくいっていた上で、アッシュ達とのすれ違いをすれ違いと思わず表面上はうまくいっていると考えていたと思われます」
そうして話をまとめようとするジェイドにルークはまだナタリアがどう思われてるかについてを聞くのだが、当時にいかなやり取りがあってにどう思われてるかに気付いていなかっただろうと返されて微妙そうな顔を浮かべるしかなかった。分かりやすい感情にはそれこそ分かりやすく返すナタリアだったが、隠された感情にはそれこそ気付くことの方が稀だった性分はルークも分かっていた為に・・・


















・・・そうして二人はナタリアに関しての話をしつつ港にいた兵士に事情を説明した後、またその足でシェリダンへと戻っていった。









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