足を運び命を運び

「まぁ今謡将がそのワイヨン鏡窟に確実にいるわけでもないでしょうし、会ってもいい結果になるとも限らないのは予測がつきます。ですので一先ずはしばらくの間は謡将達は目立った行動を起こさないと確定ではないにしても、その可能性が高いとして我々は早めに行動しましょう。あちらも我々の事は警戒はしてはいるでしょうが、禁書の事を含めてアッシュが動いているとは考えていないでしょうからそれを悟られればどうなるか分かりません。最悪彼らはモースを利用する形で我々の行動を封殺しにかかる事もですが、予定の前倒しとばかりに外殻大地の崩壊を考える可能性も無いとは言い切れないと思います」
「それって、本当にそうなったら危険じゃないですか大佐ぁ・・・!」
「えぇ。ですがモースは謡将達の事を抑制出来ると思っているというのは前の話でも出ましたから、下手に情報が漏れるのは是非とも避けたいところです。それこそ最悪の場合は謡将達をどうにか出来たとしても、モースが禁書は預言に詠まれてない物だから使っていい物ではないとその効果については二の次以下の物として、結果どうしようもなくなりということになるのも有り得ます」
「っ!・・・それだけモースは預言に詠まれてるかどうかだけで判断するって、大佐は思ってるんですか・・・」
更に続けてジェイドが確実ではないにしてもと前置きをした上で動いていこうと言い、アニスはヴァンもだがモースの事もありいかに情報漏れからの危険があるのかという中身に冷や汗を浮かばせるしかなかった。






・・・そうして一連の流れについてを話終えたルーク達三人はティア達と別れて使っている部屋へと戻った。
「・・・先程の話はアニスへの牽制か?」
「えぇ、一応。これまでの事から彼女も短慮に身を任せた決断はしないかとは思いましたが、念には念を入れておくべきかと思いました。特にモースが禁書に書かれた内容のことなど気にも止めないどころか、むしろ毛嫌いをしてこれを処分しろと言っていただろうというのは私から見ても確実だと思いますからね」
「預言に詠まれてないから、か・・・」
それでアッシュが早速とアニスに言ったことを聞くのだが、肯定が返ってくると共にモースが取るであろう行動にルーク共々表情を歪ませる。予想とはいえ、あまりなモースの短絡さに。
「もうモースに関しては今更でしょう。あれに関しては改心を望もうにも望めるような代物ではありませんし、生かしておいたとして前のように預言通りにしようとするために手段を選ばず動くのが関の山です。なら精々アニスがモースに従わねばどうしようもないという考えを引き剥がすのに使うのが、こちらにとって最善の選択でしょう・・・まぁアニスはまだしもにしても、貴方がティアの制御にかかったのは正直助かりましたよルーク。恐らくなどという言葉を使うまでもなく、ほっておいたらティアは確実に謡将の元に行こうと考えて単独行動に移ったでしょう。そうなれば船を調達出来たかどうかは別にしても、まず間違いなく謡将の元に行ってあちらに付いていたのは目に見えています」
「そりゃな・・・ただアッシュにいきなりそれを振ったのは悪かったと思ったけどさ」
「いや、あれで良かった。口を挟んでいなければまず間違いなくティアは行動を起こしていただろう。あれを止めねばならないと考えたのは妥当な判断であったと思えた上で、紫の判断は正しかったと尚更に今なら思える・・・あのティアではそれこそ二つパッセージリングを回った所でリタイアするか、ヴァンに庇護を求めて泣き付くのがオチだったろうな」
「・・・でしょうね。特に謡将に泣き付くと言うのはかなり有り得たでしょう。自分はあいつらに散々酷いことをされたんだから、仕返しをしてほしいというように」
「子ども同士の喧嘩に親を引っ張り出すみたいな事を平気でやりそうってのが何か本当に微妙な気にさせられるよ・・・」
そういったアニスの話題から次にティアについてを三人は話すのだが、アッシュから出てきた予測から三人ともにタメ息を吐きたそうな表情を浮かべる。ティアがそれだけ信頼が出来ないと予測が出来ることに。









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