足を運び命を運び

・・・そうしてルーク達三人はタルタロスの運転を兵士達が担当していることもあり、深く話をしながら時間を過ごしていった。それで数日ほど過ごした一同は情報集めと補給を兼ねてケセドニアに立ち寄ることにしたのだが・・・






「・・・よく来たねって言いたいけど、なんだいその変装は?それと大佐に他の面々は?」
「俺達全員がまとまって行動をしては目立つだろうし、下手にバレるような事態を避けるために念のために俺とルークの二人だけで来た方がいいという話になったからだ」
「まぁその方が良かったね。アクゼリュスの件が伝わってきているから、このケセドニアも徐々にピリピリし出してるところだからさ」
「やはりか・・・」
・・・そうしてフード付きのマントを羽織りフードを取ったルークとアッシュがいるのは、漆黒の翼達のアジトであるバー。
そこで話を始めるアッシュとノワールだが、アクゼリュスの事が出てきたことに二人は揃って眉間にシワを寄せる。
「と言ってもまだチラホラと噂程度といったくらいで、ホラ話として本気にしている人はまだ少ないようだしバチカルもまだ戦争にって持っていくにはしばらく時間はかかるだろうね」
「成程・・・となれば戦争になる前にこちらの行動は実を結ぶ可能性は高いだろうが、ヴァン達は今どこの辺りにいるかだとかそういった情報はあるか?」
「いや、それはないね。見張りはある程度の所にはつけてたけど神託の盾らしき集団が見られなかったことから、大方アクゼリュスを崩壊させた後は待機させていた船辺りに乗って海路で脱出したんだろう。となれば行き先は船で行けるところになるだろうが、おそらくしばらく人のいるところを避けて過ごすと思うよ」
「何故人のいるところを避けてと言える?」
「モースの追求が来るような状態を避けることもそうだが、あんたがどういう風に動くか分からないからさ。可能性は低いだろうがあんたがキムラスカに全てをぶちまけてモースを排除出来た状態にして、こちらを倒しにかかるんじゃないか・・・なんて風に動いてるんじゃないかってね」
「成程・・・確かに前の俺からは考えられん行動ばかりだから、そんな俺の事を奴らは警戒した動きを取らざるを得ないからしばらくは人気を避けるだろうということか」
ただノワールは淡々とした様子で話を続けていき、アッシュは自身で聞いた問い掛けの答えを聞いて他人事のように声を漏らす・・・この辺りは平行世界の同一人物ではあっても、思考回路が全く別物な他人に等しい物だとアッシュ自身が認識しているが故の反応だった。
「そういうことならしばらくは心配はいらないのは分かった。ただ個人的に気になることとして、ガイの事がどうなってるのか聞きたいんだけど・・・」
「・・・どうもこうもないよ。話しかければ答えは返ってこないことはないらしいけど、答えたくないこと・・・特にファブレへの気持ちに復讐をするかどうかみたいな気持ちはどうなのかって事に関しちゃ、表情を歪ませちゃいるが結局はだんまりでろくな答えは返しちゃくれないって報告があった。だから私から言わせれば沈黙は金で雄弁は銀なんて言われることはあるらしいけれど、報告の限りじゃ沈黙にして雄弁に語っているようなもんだって感じたのさ。自分は復讐を諦めきれてませんってね」
「あ~・・・やっぱりそんな感じなのか・・・」
続けてルークがガイについてをどうなのかというように聞くのだが、ノワールからしての感じかたをことわざをもじる形で呆れるように返された事にたまらず脱力した。予想が外れない答えが返ってきたと。









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