足を運び命を運び

・・・アクゼリュスが崩壊した。その事を聞かされたルーク達はすぐに謁見の間へと集められた。



「来たか・・・早速だが報告は受けているだろう。アクゼリュスが落ちたということは・・・そちらの予想が正しければヴァンが痺れを切らしてもう仕方無いと自身の手でアクゼリュスを消滅させたとの事だが、それでもキムラスカの上層部にモースはこれを機に動こうとするのは目に見えている。その為、こちらとしてはこの後にすぐに動きたいと思うが・・・まず我々の決定としてはそちらが昨日言ったことに関してを押し進める方がいいとなり、しばらくの時間稼ぎをしようと思っている」
「よろしいのですか、ピオニー陛下?」
「ジェイドが見てきたことや判断したこともあるが、戦争が本格的に始まってしまえばまず止めることは難しいだろうことは十分に予測がつくし、何よりパッセージリングが壊れてしまえば戦争云々で済む話ではない。だから引き続きジェイドはそちらにつけるしタルタロスも自由に使っても構わんから、どうにか昨日話したことを実現出来るように動いてほしい。こちらもその為に出来る限りは戦争が起きないようにと時間を稼がせてもらう」
「分かりました。ではこの後すぐにタルタロスに乗り、行動を起こします」
・・・そうして呼び出された謁見の間にて。
ジェイドを横につけたピオニーが早速と協力と共にこちらも動くといった旨を話していき、アッシュ達は揃って頭を下げる。
「それでだがナタリア殿下、昨日の話についてどう考えた?」
「どうもこうもありませんわ!そんなことを聞かされて黙ってここで待つだけなどと出来るわけありません!ですので私は私の意志でアッシュ達に付いていきます!」
「・・・そうか、分かった。なら俺達マルクトはそちらを是が非でも止める立場にはないし自分の意志と言ったのだから、この話はそれまでだ」
ただピオニーは次にと昨日の事はどうかとナタリアに問い掛けるのだが、迷う素振りなど一切見えない即答を返した勢いのいい返事にその言葉を受け止めると頷いた・・・言質は取ったというよう口にしつつ。
「それで続いてだが、どのように動くかだがまずは飛行譜業とやらを確保しに向かいにシェリダンに行くのか?」
「はっ。現状での最優先は飛行譜業を手に入れるべきだと思っている上で、禁書についてを研究していただかなくてはなりません。ですのでまずは目下の目的地はシェリダンとなり、その後はシュレーの丘のパッセージリングの操作を行ってから一度グランコクマに戻り報告をしたいと思います」
「あぁ、取り敢えずそれでいい。あまりガチガチにどうするこうすると決めるのは良くないだろうし、経過も聞きたいからな・・・ただこちらが時間稼ぎをするとは言ったが、一つ懸念事項というかどうするべきかという事がある」
「・・・どのようなことでしょうか?」
ピオニーはそのまま次はどういったように動くかを聞いてアッシュの答えに一先ず満足した後、懸念があると雰囲気を重くしたことに一同は眉を寄せる。
「時間稼ぎと言ったが、キムラスカに対してこちらがやれることなどそう多くはない。精々手紙を向こうに出して惑わせるくらいが関の山と言った所だろうが、向こうにはモースがついている。その為にこちらの言い分などどうでもいいと言って切り捨ててくるのは目に見えているが、マルクトからの手紙をモースが直接読むというわけではない。やろうと思えば意味深に何通かに分けてキムラスカ側とモースだけに読ませる分といったように見せる手紙も送れんことはないだろうとは思うが、こちらのこと全てを向こうに伝えるべきか否かも少し悩んでいるんだ」
「それは主に外殻大地降下の件に関してでしょうか?」
「あぁ。向こうからして聞き捨てならんしモースに言ってはならんことだと思うから口をつぐむと言い切れん部分があるどころか、向こうがこちらを惑わせてくると言い出しモースに全てをぶちまけかねん可能性もあるからな。だからどのように向こうに何を言おうかと悩んでいる・・・ということだ」
「そういうことですか・・・」
ピオニーは自身らが何故悩んでいるのか・・・それらについてを口にしていき、アッシュを筆頭に他の面々も難しげな表情を浮かべた。確かにキムラスカ側だけに色々と伝えるにしても、どこまでどうすべきかが見当をつかせにくいと。









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