異となることをした影響

(『いい師匠、ねぇ・・・やっぱその辺りは違うんだよな、俺とお前の考え方に感じかたは。気持ちよく自分だけを信じさせるためって言っても、俺の機嫌取りなんかまともにしなかったからな。俺に会いに来ても・・・この辺りは本当に身内っつーか仲間だって認めた奴以外に優しくだとか、そうする必要なんてないって思ったからなんだろうけど・・・その方がオッサンの計画がうまくいってたって考えると、お前にとっちゃ複雑なんじゃねーか?』)
(・・・まぁそれはな・・・別に師匠の計画がうまくいってほしいなんて思ったことはないけど、今の俺がこうしていられるのは師匠を完全に憎い敵だって見ることが出来なかったからだし・・・でもこっちの師匠は違う。ガイやティア達にとってはいい人どころじゃないレベルなんだろうけれど・・・気持ちに踏ん切りが付いてるからなのかな、そうなるきっかけがあっからなのか・・・)
(『その辺りはどうかは俺は知らねぇけど、こっちのオッサンはそれで厄介になって和解だとかそっちでも無理だったのがより難しくなってんだろ・・・俺じゃ精々が相討ちまでがオッサンとの戦いの結末だって話だったからな。こうして俺の体を使うことにしたんだから、お前があのオッサンに対して複雑だって気持ちを抱いてるのは分かるが確実にあのオッサン達を止めろよ。お前自身が言い出したことだから分かってるだろうけどな』)
(あぁ、それはな・・・)
そんな複雑な想いを抱くルークに対してちゃんとやるようにと念を押す『ルーク』に、苦い様子ながらも肯定して返す。言い出したことを反故にする気はなくとも、ここまで違うこちらのヴァン相手にでも気持ちが重くなるのはやはり避けられないために。
(『そう言ってくれるのは構わねぇけどよ・・・ガイもそうだけど、そのティアとかいう奴とかとはどうするつもりなんだよ?話を聞く限りだとどっちもそうだろうけど、あのオッサンが好きだけど裏切られたみたいな感じで攻撃しにきたんだろ?そんで展開として結構な割合であのオッサンの方に寝返るって聞いたけどよ・・・』)
(あ~、ティアか・・・正直、俺に御せる気がしないんだよな・・・紫に話を聞いたのもあってな・・・)
そこから次の話題だとティアについてどうするかを聞く『ルーク』に対し、ルークは浮かないといったように声を上げた。






・・・こちらのティアがヴァンに対しての傾倒が凄まじく、『ルーク』達の側への味方になることが少ないことは紫から聞いていた。ただそれでも一応はヴァンのやろうとしていることに疑問を呈して行動していたことから、知ったことをどうかと思うくらいには良心はあったが・・・その良心より外殻大地を全て消滅させてレプリカの大地を造り出すという計画に賛同し、『ルーク』達から離反するほどにヴァンへの気持ちは強かった。

これはルークからしてガイが敵に回るより、意外な事と言えた。一応ガイはファブレへの復讐心に加えてこちらではヴァンに対する信頼が強い事があるから有り得ないことではないからだが、ティアはヴァンは理想の兄である事とそんな兄と共にあることが望み・・・それなのにヴァンの方に傾く傾向が強いということに。

ただこの疑問に関しては、紫から答えをルークはもらった。それはヴァンがそうするに至った動機を知ったこともあるが、同時に『ルーク』達と共にいることが苦痛で仕方なかったからだと。









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