移動と選択
「・・・ということはそれまで時間を稼げれば戦争は止めれる心算はあるということか?」
「はい。ですがあくまでそれもまた時間稼ぎと言うより、向こうにこちらの言い分を聞かせる為の下準備と認識していただきたい。私の目論見がうまくいけば戦争になど出来ずに立ち往生すると見られますから、その時にバチカルに向かい叔父上達と対面したいと思っています」
「・・・下準備か。そうでもせねばキムラスカと渡りをつけられんというか、そこまでしてようやく話が出来るということになるか・・・だがそちらは分かっているのか?キムラスカはまだ百歩譲って話をするかもしれんが、モースはそちらの方が分かっているだろうがジェイドからの手紙の中身から考えただけでも俺は話を聞いてくれるとは到底思えんぞ」
ピオニーはその話に反応して先を聞き、相手が相手なだけに言葉遣いを改めるアッシュにモースはどうするのかと問い掛ける。最大の障害であるだろうと。
「確かにモースは話を聞いてくれるかどうか以前に、こちらを拒絶する可能性は高いでしょう。ですが下準備さえ整えればキムラスカ側もいくらモースが耳打ちしたところで一朝一夕には戦争には踏み切れないだろうことから、話し合いの場に持っていくことは可能かと思われます。ただ勿論モースがその話の時に口を出さないどころか盛大にこちらに色々と言ってくるのは間違いないでしょうし、危険な場になることは間違いないでしょうが、モースがバチカルから都合よくいなくなる事を期待することはまず出来ませんし、その場にいなくともその後に面倒な事を起こしかねません・・・ですので後の事を考え、危険を承知の上でバチカルに向かいたいと思っています」
「・・・死ぬことも覚悟の上でか」
「ですがその時に直接話をしなければあちらが受け入れるのは精々事態が落ち着くまで戦争は再開しないという休戦協定が関の山であり、事態が落ち着けばモースは嬉々として戦争を始めようとキムラスカを動かしにかかるでしょう。そしてそうなれば余程の想定外の事態が起きない限りは戦争はまず止まらないことは明白であり、その事態が解決したならまた戦争・・・となっていたちごっこにしかならないでしょう。そうなれば例えヴァンの驚異を排除出来たとて、戦争を止めるのはまずどちらかが滅びるまで無理だと思われますが・・・」
「そうなればモースが手を打ち預言通りになる可能性が高くなり、様々なことが終わることになるから話を聞いてくれるであろう時にどうにかするしかないということなのだろうが・・・仮に話し合いに持ち込めたとしてもモースがバチカルという自身に絶対的に優位な場所から出てくるとは思えんし、一つ間違えればそちらが殺される可能性が高いと知っていてそう言っているのだな?」
「はい、その通りです。確かに死の危険はありますが、命惜しさにその機を失えばもうまともな話し合いをあちらはしてくれないでしょう」
「・・・ふむ・・・」
そんなモースに対してを含めてバチカルに向かい直接話をしなければならないと迷うことなく口にしていくアッシュに、ピオニーは少し考え込むような声を漏らす。
「・・・ならまずはその下準備について話してからにしてくれ。それを聞いてどうなるか判断がつかねばどうするのかを決めることも出来ないからな」
「はい、それでは今からお話致します」
そうしてならとピオニーは下準備についての話をと言い、アッシュもすぐに了承した。そこについてはまだ話していないからと。
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「はい。ですがあくまでそれもまた時間稼ぎと言うより、向こうにこちらの言い分を聞かせる為の下準備と認識していただきたい。私の目論見がうまくいけば戦争になど出来ずに立ち往生すると見られますから、その時にバチカルに向かい叔父上達と対面したいと思っています」
「・・・下準備か。そうでもせねばキムラスカと渡りをつけられんというか、そこまでしてようやく話が出来るということになるか・・・だがそちらは分かっているのか?キムラスカはまだ百歩譲って話をするかもしれんが、モースはそちらの方が分かっているだろうがジェイドからの手紙の中身から考えただけでも俺は話を聞いてくれるとは到底思えんぞ」
ピオニーはその話に反応して先を聞き、相手が相手なだけに言葉遣いを改めるアッシュにモースはどうするのかと問い掛ける。最大の障害であるだろうと。
「確かにモースは話を聞いてくれるかどうか以前に、こちらを拒絶する可能性は高いでしょう。ですが下準備さえ整えればキムラスカ側もいくらモースが耳打ちしたところで一朝一夕には戦争には踏み切れないだろうことから、話し合いの場に持っていくことは可能かと思われます。ただ勿論モースがその話の時に口を出さないどころか盛大にこちらに色々と言ってくるのは間違いないでしょうし、危険な場になることは間違いないでしょうが、モースがバチカルから都合よくいなくなる事を期待することはまず出来ませんし、その場にいなくともその後に面倒な事を起こしかねません・・・ですので後の事を考え、危険を承知の上でバチカルに向かいたいと思っています」
「・・・死ぬことも覚悟の上でか」
「ですがその時に直接話をしなければあちらが受け入れるのは精々事態が落ち着くまで戦争は再開しないという休戦協定が関の山であり、事態が落ち着けばモースは嬉々として戦争を始めようとキムラスカを動かしにかかるでしょう。そしてそうなれば余程の想定外の事態が起きない限りは戦争はまず止まらないことは明白であり、その事態が解決したならまた戦争・・・となっていたちごっこにしかならないでしょう。そうなれば例えヴァンの驚異を排除出来たとて、戦争を止めるのはまずどちらかが滅びるまで無理だと思われますが・・・」
「そうなればモースが手を打ち預言通りになる可能性が高くなり、様々なことが終わることになるから話を聞いてくれるであろう時にどうにかするしかないということなのだろうが・・・仮に話し合いに持ち込めたとしてもモースがバチカルという自身に絶対的に優位な場所から出てくるとは思えんし、一つ間違えればそちらが殺される可能性が高いと知っていてそう言っているのだな?」
「はい、その通りです。確かに死の危険はありますが、命惜しさにその機を失えばもうまともな話し合いをあちらはしてくれないでしょう」
「・・・ふむ・・・」
そんなモースに対してを含めてバチカルに向かい直接話をしなければならないと迷うことなく口にしていくアッシュに、ピオニーは少し考え込むような声を漏らす。
「・・・ならまずはその下準備について話してからにしてくれ。それを聞いてどうなるか判断がつかねばどうするのかを決めることも出来ないからな」
「はい、それでは今からお話致します」
そうしてならとピオニーは下準備についての話をと言い、アッシュもすぐに了承した。そこについてはまだ話していないからと。
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