移動と選択
「今の状態から言わせてもらうなら戦争は出来る限り避けたいことです。それはマルクトの本来の目的もありますが、預言の中身の事がありますから戦争が起きたならまずキムラスカは止まらないでしょう。ですからその時間が来るのは出来るだけ遅い方がいいのは分かるはずです」
「そうかもしれませんが、時間を稼ぐだけではその時が来てしまえば遅いではありませんか!ならば時間稼ぎなどとは言わず、早く事態を解決するように動かねば・・・!」
「それに関しては俺が今から説明する。時間稼ぎをした方がいい訳に関してをな」
「アッシュ・・・!?」
ジェイドは時間稼ぎは有用だというように言いナタリアはまどろっこしいというように言うのだが、アッシュが話すとの声にどういうことかと視線を向ける。
「今までの話の中では出さなかったが、ジェイドから質問があったためにジェイドにだけは話しておいたが・・・パッセージリングを壊すことについて俺は聞かれた。リングという形状でいて世界各地の大地を浮かせているのに、そのリングを壊してしまって大丈夫なのかということを。そしてその答えに関してだが、ヴァンと言うよりはディストの調べにより大丈夫ではないことが分かったと答えた」
「なっ!?ど、どうして大丈夫ではないのですか!?」
「単純な話として、リングが壊された衝撃により他の大地を支えるリングの耐久力が著しく削られているからだ。ホドの時からでも大分ダメージは酷かったそうだが、アクゼリュスのパッセージリングが崩壊すれば他の場所を支えるパッセージリングの耐久力が一気に無くなり近い内にその影響を受け、ホドとアクゼリュスに位置が近いセフィロトのパッセージリングから何もせずとも順々に外殻大地を支えきれずに崩壊していく可能性は極めて高いとのことだ」
「なっ・・・!?」
そうしてアッシュはパッセージリングの特性上からの崩壊についてを口にしていくのだが、詳しく聞いてなかったナタリアを始めとした面々は絶句するしかなかった。アクゼリュスまでも崩壊したなら何もしなくても他の大地も崩壊するとのことに。
「ただ一応その事に関しては解決策はあるが、その説明は後にするとして重要なのはその時に出来る限り被害を出さないようにするには戦争になってないことが好ましいから時間稼ぎはしたいと言ったんだ。俺の目論見がうまくいけば戦争といったことになる前にうまくキムラスカを止めることが出来るだろうと見てな」
「そ、そういうことだったのですか・・・」
「安心するのはまだ早い、ナタリア。ここで重要になるのはそういったことになり得ると知って、何も自分達以外に知らせようとしなかったヴァンだ・・・モースなどに話をしても預言に詠まれてないからなどと信ずるに値しないと一蹴するだろう事もあったからだろうが、それでも誰にも何も言わずに自分達の為に外殻大地に今住まう者達を見殺しにするだけの判断をしていたのは分かるはずだ」
「っ!・・・た、確かにそう言われるとどれだけヴァンが本気なのかということが分かりますわね・・・」
「っ・・・」
そんな状況に対して解決策はあると言うアッシュに一先ずの納得をしたナタリアだが、続けられたヴァンについての言葉に本気さを感じて冷や汗を浮かべる。そしてその傍らではティアが辛そうな表情で拳を握りしめていたが・・・その光景に気付いていた者は誰もその事には触れないままに素知らぬように視線を逸らした。
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「そうかもしれませんが、時間を稼ぐだけではその時が来てしまえば遅いではありませんか!ならば時間稼ぎなどとは言わず、早く事態を解決するように動かねば・・・!」
「それに関しては俺が今から説明する。時間稼ぎをした方がいい訳に関してをな」
「アッシュ・・・!?」
ジェイドは時間稼ぎは有用だというように言いナタリアはまどろっこしいというように言うのだが、アッシュが話すとの声にどういうことかと視線を向ける。
「今までの話の中では出さなかったが、ジェイドから質問があったためにジェイドにだけは話しておいたが・・・パッセージリングを壊すことについて俺は聞かれた。リングという形状でいて世界各地の大地を浮かせているのに、そのリングを壊してしまって大丈夫なのかということを。そしてその答えに関してだが、ヴァンと言うよりはディストの調べにより大丈夫ではないことが分かったと答えた」
「なっ!?ど、どうして大丈夫ではないのですか!?」
「単純な話として、リングが壊された衝撃により他の大地を支えるリングの耐久力が著しく削られているからだ。ホドの時からでも大分ダメージは酷かったそうだが、アクゼリュスのパッセージリングが崩壊すれば他の場所を支えるパッセージリングの耐久力が一気に無くなり近い内にその影響を受け、ホドとアクゼリュスに位置が近いセフィロトのパッセージリングから何もせずとも順々に外殻大地を支えきれずに崩壊していく可能性は極めて高いとのことだ」
「なっ・・・!?」
そうしてアッシュはパッセージリングの特性上からの崩壊についてを口にしていくのだが、詳しく聞いてなかったナタリアを始めとした面々は絶句するしかなかった。アクゼリュスまでも崩壊したなら何もしなくても他の大地も崩壊するとのことに。
「ただ一応その事に関しては解決策はあるが、その説明は後にするとして重要なのはその時に出来る限り被害を出さないようにするには戦争になってないことが好ましいから時間稼ぎはしたいと言ったんだ。俺の目論見がうまくいけば戦争といったことになる前にうまくキムラスカを止めることが出来るだろうと見てな」
「そ、そういうことだったのですか・・・」
「安心するのはまだ早い、ナタリア。ここで重要になるのはそういったことになり得ると知って、何も自分達以外に知らせようとしなかったヴァンだ・・・モースなどに話をしても預言に詠まれてないからなどと信ずるに値しないと一蹴するだろう事もあったからだろうが、それでも誰にも何も言わずに自分達の為に外殻大地に今住まう者達を見殺しにするだけの判断をしていたのは分かるはずだ」
「っ!・・・た、確かにそう言われるとどれだけヴァンが本気なのかということが分かりますわね・・・」
「っ・・・」
そんな状況に対して解決策はあると言うアッシュに一先ずの納得をしたナタリアだが、続けられたヴァンについての言葉に本気さを感じて冷や汗を浮かべる。そしてその傍らではティアが辛そうな表情で拳を握りしめていたが・・・その光景に気付いていた者は誰もその事には触れないままに素知らぬように視線を逸らした。
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