・・・そうしてジェイドはピオニーやゼーゼマンの質問を時折受けつつ、一連の流れに関してを説明していった。






「・・・成程・・・手紙で把握していたつもりではあったが、実際に話として聞けばその事態の重さを改めて理解さ出来るな・・・特にこの大地が外殻大地として宙に浮いているということは、あまりにも衝撃的だった」
「ですが嘘ではありません。私だけではなくこの場にいる皆が証言者になりますし、ホドが消滅した経緯に加えてアクゼリュスも同じようなことになるのは流石にそういったことがなければ説明がつきません」
「確かにな・・・ホドが消えた時も大陸一つが丸々周辺のフェレス諸島なども含めてどうして消えて無くなったと言われていたが、そういうように魔界に崩れ落ちていたなら跡形も残るはずなどないのは確かになるだろうが・・・今度はアクゼリュスをそうして、戦争に持ち込もうということか・・・」
・・・それで一通り説明が終わるのだが、中身が中身なだけにピオニーも真剣にならざるを得ずにゼーゼマンも含めた周りも難しいと表情を歪める。
「・・・だがそこに来てそれ以上に厄介なのはキムラスカやモースを密かに裏切る形で暗躍しているヴァンになるんだろうが、お前の予想ではそろそろ力業でアクゼリュスを壊して予定よりは遅れたが、これで戦争に繋がらせることが出来るというように動き出しかねんというんだな？」
「はい。アッシュの話からあくまで預言通りに表向きはうまくいっているというよう見せるため、そして我々を捕捉出来てないことから取れる手段はそれくらいしかありません。ですので近い内、もしかしたら今この時にアクゼリュスを崩落させていてもおかしくはないと思われます」
「お待ちになって！・・・『聖なる焔の光』がアクゼリュスを消滅させて共に死ななければ預言を達成させることが出来ないとモースは考えるのではないのですか？」
「謡将が嘘をつくこともそうですが、モース達がそれが嘘であるかどうかを確認する術は現場にいないことからありません。それにモースも今か今かとアクゼリュスの崩落を待ち構えているでしょうから真偽を確かめるより、一刻も早い戦争の開始が大事だと疑心を抱くことなく戦争だと息巻きインゴベルト陛下達に働き掛け、インゴベルト陛下達も待たされたこともあってすぐに頷くでしょうね」
「そんなっ・・・！」
そんな表情のままにヴァンとモース達の事についてをピオニーがジェイドに聞く中でナタリアが確認の声で中断をするが、そうはならないと言われて愕然とした表情を浮かべる。
「・・・となれば戦争は避けられんか。アクゼリュスが落ちたなら然程時間を空けずにキムラスカはこちらに攻めいるのは目に見えている」
「お待ちになって、ピオニー陛下！私が手紙を出せばどうにかお父様は「精々そうして出来ることは時間稼ぎがいいところです」・・・ジェイド・・・！」
ピオニーがその中身に表情を引き締め戦争との言葉を出し始めたことにナタリアが反論しようとしたが、ジェイドが口を途中で挟んだことにキッと睨み付ける。何故自分を信じないのかとばかりに。
「そう睨まないでください。時間稼ぎしか出来ないというように言われることが不満だといった様子ですが、むしろ逆です・・・こちらとしては時間稼ぎが出来ることはありがたいのですよ」
「え・・・？」
だが当然とばかりに全く動揺する様子などないジェイドが口にしたありがたいとの言葉に、ナタリアは戸惑いを浮かべた。何故時間稼ぎがありがたいのかと。









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