移動と選択

「・・・ナタリアについてはまとまったから話を変えるが、グランコクマに行った後はどうする?ヴァンの行き先に関してはワイヨン鏡窟も含めてある程度は予想はつくが・・・」
そんな風にルーク達が心中で会話をしていると、アッシュがグランコクマ以降の行き先についてそれからどうするべきかを口にする。
「・・・おそらく我々がグランコクマに着く前後くらいには、謡将はやむを得ずと言った形でアクゼリュスを崩落させるでしょう。彼らとしては我々を是が非でも捕縛してルークにアクゼリュスを消滅させたかった筈ですが、いくらなんでもそれにこだわったままでは事態が進みませんしキムラスカやモースも不審に思うというように考えるでしょう。ですからもう我々は仕方無いし自分がアクゼリュスを壊すのも預言を乱すいいきっかけとなるとでも思い、行動に起こす頃合いになるかと思われます」
「成程・・・そこから事態を進めるという訳か。だがアクゼリュスは人がいないとは言え、落とされてもいいのか?」
「アクゼリュスに住まわれていた方々には申し訳無いとは思いますが、モースはどうあっても止まるようなことはないだろうからまだしもにしても、キムラスカには戦争を止めるように考えてもらう状態にならなければいくら呼び掛けをしたり謡将のことであったり貴方が表に立っても交渉の余地はないでしょう。そしてそういった状態にさせるには、前のように主戦場となるパダン平原を支えるシュレーの丘とザオ砂漠のセフィロトを降下させる必要があります。あちらの戦意に戦力を削ぎ、キムラスカからして予想外の事態を招かねばまず向こうは止まれないでしょうからね」
「となると、早めにアルビオールを使えるようにした方が良さそうだな・・・今後の事を考えると」
「そうですね。それにい組とめ組の協力も欲しいところですから、シェリダンに向かうのはこの次かその次かにしましょう。勿論ベルケンドに行くならスピノザの拘束も兼ねてです・・・まぁそれも一先ずグランコクマに着いてからですがね」
その声にジェイドはヴァンの行動からになるからこそアクゼリュスの消滅をきっかけとしなければならないと言い、その話の中身にシェリダンに早く行くことをルークが考えるように口にすると同意しつつ具体的な目的はグランコクマに行ってからと返す。


















・・・それで後は以降の流れについてどうするかを話し合う形で時間は進み、夜になった所で三人は宿に戻った。



「・・・あ、戻ったんですね」
「どうしたんだ、イオン?部屋にいなくていいのか?」
そうして宿に戻った三人だがイオンが入口で出迎えてきたことに、ルークがどうかしたのかと問い返す。
「いえ、三人の姿が見えなかったからどうしたのかと思ってここで待とうと思ったんです」
「いや、部屋で待ってりゃ良かったじゃねーか」
「そうしようかと思ったんですが・・・少しナタリアと話していたアッシュの事が気になって・・・」
「あ~・・・正確にはアッシュを待ってたってことか?」
「そうなりますが、ナタリアを安心させてはやらないんですかアッシュ?貴方の都合があるのは分かりますが、度々貴方にすがるナタリアの姿を見ると彼女の為にそうしてあげた方がいいのではないかと思うのですが・・・」
イオンは待っていたと言いつつ話をしていきその話の中身からルークがアッシュに用があると察したのだが、その言葉に眉を寄せナタリアを本気で案じるように言うとアッシュは腕を組みそっと目を閉じる。









.
9/22ページ
スキ