・・・ただそうしてこのオールドラントに来たルークだが、この三日でこちらの『ルーク』の気持ちはルークに体を明け渡して自分は消えるという気持ちを強くしていた。これはルークと精神を共にする内にそう思うようになっていったとのことだが、その考えをどうにか変えてほしいとルークは思うようになっていた。






(『だから気にすんなよ。つーか元々お前は俺の体をどうにか手に入れようとするために来たんだろ。なのにこうして躊躇ったような事ばっかり言ってるってのは、甘くねぇか？』)
(・・・甘いっていうのは自覚してるよ。実際紫にもそうだけど、待ってる人にも割り切るようにとは言われたし・・・)
(『でもそんなとこが気に入られてるってのは何と無く感じるよ・・・なんつーか俺も感じるんだよ。そういうとこが心地いいっていうか、悪い気にならねぇって気分になる。多分俺じゃお前みたいにならねぇだろうってのは分かるとかそういう以前に、これからどうなるかを知っちまったってのを抜いてもガイ達にお前のような気持ちなんて抱けねぇんだよ・・・』)
(それは・・・)
それでルークに対して気にしないように言いつつ話題を変えていく『ルーク』だが、ガイ達の事を何とも言いがたそうに口にしたことにルークも反論出来なかった・・・ガイに関してだけでもこの三日で付け入る隙というか、仲良くなれそうだという見方がルークにも全く出来なかった為に。
(『・・・つってもお前も結構諦めが悪いみたいだから、これから起こる旅の中で気持ちが変わったらちゃんと言ってやるよ。ここで押し問答をしてもあんまり意味もねぇだろうしな』)
(・・・言ってくれよ、本当に)
(『あぁ、言うよ』)
そんな空気を嫌うよう心変わりをした場合についてを口にする『ルーク』にルークは心底から願うように言葉を向け、軽い様子ではあるが確かに答えを返す。
(それならいいけど・・・)
(『それよっかまた聞きてぇんだけどよ・・・俺の元になった被験者って、お前の所の奴とは違うんだよな。あのオッサンに夢中じゃないって点で』)
(夢中じゃないって・・・)
(『だって屋敷の奴らに話を聞く限りじゃマジで俺に入れ換える前の被験者ってあのオッサンが来る度来る度ベッタリで、稽古の時間もそうだけどそれ以外の時間でも出来るだけ離れようともしなかったしわざわざ突き放しもしなかったらしいんだぜ。今になって思えばガイはその時の被験者とオッサンの関係についてはいい顔をしてなかったんだろうけど、そうじゃないオッサンに被験者ってのがちょっとまた気になってな』)
(あぁ、そういうことか)
その上でさっさと話題を次のアッシュとヴァンに変えていく『ルーク』に、納得したような声色で返す。確かに違いは大いにあると。
(と言っても俺もアッシュも師匠の事は信用してたんだ。ただ俺はアクゼリュスで暗示を発動させられて、その後に事実を事実だって認識するまではただあの人の言うことを聞いていればいいって思うくらいにな・・・)
(『それだけ信用してたってのが本当に信じづれぇな・・・』)
(それだけ俺やアッシュにとってはいい師匠だったんだよ。多分今のアッシュはともかく、昔のアッシュだったらそんなことはねぇとかって言ってただろうけど・・・こっちの師匠の方が俺は信じられないんだよな、話を聞く限りじゃ・・・)
それで自分とアッシュがヴァンを尊敬していたと言いつつ、こちらのヴァンについて口にする。何とも言いがたそうな複雑さを伴わせ。









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