移動と選択

(ただナタリアに関してはやっぱりどうしたって本物の存在はバチカルに戻ったら明かされるのは間違いなくそうなるだろうから、どうしたって辛いのはあるし俺じゃなくアッシュに寄り掛かろうとするのは目に見えてるしな・・・)
(『アッシュは必要以上に優しくするつもりは無いだろうけど、その時どうなるんだろうな・・・俺らは対処はするつもりじゃあるけど、あんまりいい予感マジでしねぇしよ』)
(・・・そう考えるとあんまり気は進まないけど、ケテルブルクで前に言ってたナタリアを王妃にすることに関してをどうかみたいな話を二人にしようかな・・・確かに可哀想な気はするけど、だからってこれからの事を考えるとアッシュが結婚した時点で辛いことになるのは目に見えてるしな・・・だからケテルブルクが近くになったらジェイドも休憩や補給も兼ねて寄ろうって言うだろうから、そこでな・・・)
(『・・・そうした方がいいだろうな、これからの事を考えると・・・』)
しかし先の事も間違いではないからとケテルブルクでかねての件を話すとルークは複雑そうに口にし、『ルーク』もそうするべきと同じような声色で返す。ナタリアの事を放っておくわけにはいかないだろうと・・・


















・・・そんな風に内外では色々ありつつもタルタロスは海路を進んでいき、数日の時間が経ってケテルブルク近辺の海域に来た時に一同は交代時間もあってブリッジに集まった。



「・・・さて、皆さん。このままグランコクマに向かいたい気持ちは山々ではありますが、もう少ししたらケテルブルクの港が近くに見えてきますのでそちらに寄り休憩と補給を致しましょう。時間が惜しいというのは確かにありますがタルタロスに缶詰なままでは気が滅入るでしょうし、少なくなってきた物資の補給もしたいところですからね」
「・・・やむを得ませんわね、物資が少ないのでしたら・・・」
・・・そうして集まった中でジェイドがケテルブルクに寄ることを口にし、ナタリアは不満げながらも頷くに留める。物が無いなら仕方無いと。
(『予想通りケテルブルクに行くことになったか』)
(あぁ。後は三人になれるように動かないとな・・・)
そうして予想通りとルーク達は内心で会話をし、機会を伺うようにすると話し合う。


















・・・そうして程無くしてケテルブルクの港にタルタロスをつけた一行は雪道を歩いていき、ケテルブルクへと辿り着いて宿を取った。



「・・・なぁジェイド、ちょっと外で話したいことがあんだけど・・・」
「いいですよ・・・ミュウ、貴方は宿で待っていてください。ここは寒いですし、私達が部屋に戻ってきた時の為に暖があってすぐに暖まれるようになっていてほしいですからね」
「分かりましたですの!」
「では行きましょうか」
「あぁ」
それで街の入口側の宿を取ったところで各自解散となった後、ルークがジェイドに声をかけてミュウが元気よく返したことで二人は外に出る。






「・・・どうしたのですか?私に何か?」
「本当ならアッシュも一緒に話をしたかったんだけど、ナタリアに話をしたいってせがまれてたから先にジェイドにだけでも話をって思ってな・・・だから取り敢えず先に話を聞いてほしい。ジェイドの考えもあるだろうしさ」
「分かりました、まずは聞きましょう」
・・・それで二人は雪の降り積もる広場の片隅に来て、ルークの考えを聞いたジェイドはすぐに話を聞くと頷いた。









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