盲目の愛を愛と呼べるか

(『・・・つーか今までの旅で学ばなかったのかって思うんだよ・・・血の繋がりがあるからとかって理由だからで信じたいなんて、俺にナタリアの事だとかも見捨てられたようなもんだってのによ・・・』)
(・・・ナタリアもティアも、実際に目の前で否定されないと本人がそう判断したなんて認められないんだろうとは思う。ただナタリアの場合はモースのせいって部分もあるけど、叔父上自身もナタリアを見捨てるなんてみたいな気持ちがあったからまだ救いがあるみたいな感じになったけど・・・ティアは完全に師匠自身が考えて動いているのが分かってるだけに、余計に甘いとかって話になるんだよな・・・)
(『だよなぁ・・・』)
それで『ルーク』は何故学ばないのかと口にし、ルークから返ってきた答えに脱力気味に答えるしかなかった。似たようなナタリアと比べても、待ち受ける未来を思えばどうしようもなく思ってしまう事に。
(そしてさっきの市長との会話でも、ティアは師匠への気持ちを抑えることが出来なかった・・・それで師匠から拒絶をされても、あのティアの感じからしてそれなら兄さんの方につくって言いかねないからな・・・)
(『前にも言ってたけど、兄上大事で世界をまとめて裏切りかねないっていうのはな・・・ちなみにあいつが裏切って俺達を殺したとして、オッサンを諦めさせる為に説得し続けるみたいな展開になると思うか?』)
(・・・最初はそうするかもしれないけど、師匠が聞くわけないのもそうだけど終わるまでここにいろってどこかに閉じ込められて終わったら解放されて終わりだろうな。そしてその時は止められなかったって嘆きはしても、それ以降に師匠を殺してでも止めるみたいなことはしないだろうな・・・今更こんな世界になって世界のトップになった兄さんを殺せないって風にな)
(『・・・それってオッサンを殺せない言い訳を手に入れたからそうしたみたいな感じじゃねーか・・・』)
(というか是非とも言い訳が欲しいと思ってるんだと思うよ・・・どんな形ででも兄さんが生きていて欲しい、自分が説得してなんとかなると思いたいし駄目ならもう兄さんと共に生きることが大事だって形でな・・・)
(『・・・ハッ、随分と都合のいい考え方だな。そしてマジでそうしそうだって思えるから余計にタチがわりぃ・・・』)
ただ更に続くティアの行動予測の話なのだが、贔屓目抜きの予測を苦そうに口にしたルークにたまらず悪態をつくように声を漏らした・・・いくら大事な存在だからとは言え、全てを後に回してしまいかねないと判断する可能性についてを自身も感じて。
(けどそんなことにさせてまで師匠を生き残らせるなんて許される訳じゃないし、ティアはそんな風に周りから見られることだとかをちゃんと考えてもないと思う・・・でも俺はやる。例えティアにどう思われようがだ)
(『・・・今の俺なら分かる。そんな風に周りや自分の事すら見ようとも考えようともしてないのに、それを押し通すことなんて例え愛情からの事だって許していいことじゃないってな・・・』)
だがだからこそ強くいかなければならないとルークが口にする様子に、理解を出来ると『ルーク』も自身の考えを口にした。ティアの事を決して見逃すわけにも、ましてや望み通りにさせていい訳がないと・・・









愛は様々な意味を持つ



しかし他者がその愛を許すかはまた別になる



何も見ない愛は他者にはただの害となる



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