「・・・ではイオン様。改めてルークの代わりにお聞きしますが、ガイの事をどうにか自分がしたいと思いますか？」
「止めましょうよ、イオン様～・・・ガイをどうにか出来るなんて思えませんし、それこそ下手をしたらガイのせいでダアトが滅びるとかってことも有り得ますって・・・絶対に復讐をしないなんて嘘でも口にする様子なんて無かったって話ですから、変にそうしないなんて言葉を引き出せても後でどうなるかなんて保証なんて誰も出来ませんし・・・」
「っ・・・あの、せめてガイと話をさせてからにしてくれませんか？確かにガイの立場に危険性は分かりましたけど、本人に話を聞きもせずそれは流石に・・・」
ジェイドがそんな流れを引き継ぎつつどうするかと問い掛けアニスもすぐに見捨てようと不安げに口にするのだが、イオンはせめて話をしてからと懇願するように口にする。
「・・・まぁ一応は全てが丸く収まったなら漆黒の翼に彼を連れてきてもらう予定でいますから、その時までは保留でいいでしょう。ですがその時に手放しで信用が出来ないと見たなら私達は全力で反対させていただきますので、そこはご了承いただきますよ」
「っ・・・分かりました・・・」
対してジェイドは妥協案を仕方無いというように口にするが、イオンからして条件が厳しすぎる中身に力なく頷くしかなかった。危険と天秤にかけることに加えて、自分がどうにか出来るかどうかではなくガイ自身の態度にかかることを受けて。
「・・・ではガイについて決まったところで、話を変えさせてもらうが・・・市長。今までの俺達の話、特にヴァン達の行動とその理由についてを聞いた時にどう思い行動したいと考えた？」
「ど、どうと申されても・・・わ、私としてはその話をすぐには信じられないというか・・・」
「だったらティアがその話についてを全てとは言わずとも、聞いていたと言うなら信用は出来るか？・・・その時に衝動的にヴァンを刺し、しばらくの間奴を療養に追い込んだことも併せてな」
「「「「っ！？」」」」
そんなガイについての流れを終わらせ市長にどうかと考えについてを聞くアッシュだが、しどろもどろになるその姿を見てヴァンを刺したことを引き合いに出すと当人を含め驚愕の様子を一同は浮かべた。
「・・・ティアが謡将を刺した・・・もしやそれがそもそもの謡将をティアがバチカルで襲った理由ですか？」
「あぁ、それで間違いないだろうが・・・俺が道中でそれを口にしなかったのは外殻大地の事を知らねばヴァン達の計画を信じられんだろうと感じてもあるが、何よりティアが何故それをと食って掛かり面倒になりかねんかったからだ。と言っても俺はヴァンが怪我をした理由についてをリグレットから又聞き話程度に聞いていて、ヴァンとティアの当人達の間での事であり何もこれ以上は私からはしないと当人から言われ、俺も釈然としない気持ちを抱きつつ次第に頭の隅にその事実に置いていたのだが・・・バチカルでの事からその事実からヴァンを襲ったのだろうと見た上で、下手な場で話をするよりは明かすべき場所にて明かした方がいいだろうと見てこうしたというわけだ」
「成程、そういうことですか」
その中でジェイドは冷静に事情把握の為に問い掛けをアッシュに向けると、何故今なのかという理由つきで返してきたその中身に納得したと頷いて返す。今までティアがヴァンを刺したのを黙っていたことに。









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