「ヴァンの事は一先ず置いておく・・・今重要なのはガイの正体が明らかになったこともそうだが、ガイに関してをどうするかだ」
「・・・どうするも何も、ガルディオスだと明らかになったからと言って彼をマルクトに迎え入れるどころか、むしろ排斥の方に話は行くのは明白でしょう。ファブレへの復讐を諦めきれてないだろうこともそうですが、何より彼にマルクトに復帰したいだったり役に立ちたいだとかの気持ちは感じられませんでした。そう考えればもし全てをうまくいかせたとしても、マルクトもそうですがキムラスカも彼の受け入れはしないでしょうね」
「当然ですわ！私の目が黒い内はガイをファブレやキムラスカに戻してなるものですか！」
アッシュはそんな話の軌道修正をガイの方にすると、冷静にジェイドはマルクトでは受け入れられないと言い、バトンタッチされる形になったナタリアは息を荒くして自分も有り得ないと言い切る。



(『・・・すげぇな、改まってナタリア・・・』)
(あぁ・・・こう見てるとガイの態度が違うっていうのを加味して考えても、本当にタイミングやらが良かったから俺達の方のガイが受け入れられたんだなと思うよ・・・)
そんな光景を傍目に見ながらルーク達はもうこちらのガイが受け入れられることはないのだと確認する。やはりと言うか特にナタリアの激しさは端から見ていて、まず話を聞いて意見を変えるだろうとは思えないというよう。
(ただ俺ももうガイを大丈夫だって考えるのは無理だって思うし、ここでやることはやらないとな・・・)
しかしルークはそれを承知の上で動こうと、口を開く。



「・・・キムラスカもマルクトも受け入れるつもりはないってことだし、ユリアシティでも受け入れるつもりはない・・・後はダアトっつーかイオンがどうするかだろーな」
「えっ、ぼ、僕・・・ですか？」
ルークはそんな中身をまとめるようにしつつイオンに視線と話題を向けると、当人はどういうことかと戸惑いを見せる。
「ぶっちゃけ後の事を考えても、ガイの事をどうにかっつーか救いたいみたいに考えるだろうってのはお前くらいだろ。だからガイをどうにかするって強く思うなら今の状態じゃお前くらいしかいないだろ」
「あ～・・・確かにイオン様くらいしかガイを助けようとしなさそうなのは分かるかな～・・・」
「だろ？それにそんなガイをどうにかしたいって思うにしたって、あいつが何もしないようにだとかそう言った対策なりなんなり諸々が必要になるだろ。言っちまうならあいつがダアトから抜け出してバチカルまで復讐に来させないための対策に、もしそうなった場合のその責任を負う必要とかな」
「それはっ・・・！」
「分かるだろ？・・・下手な情けであいつが変なことを起こしたら、とんでもないことになんのは」
ルークはそんな様子に頭をかきつつガイをどうにかしたいと思った際の事を話していきアニスも確かにと納得するが、もしものガイの可能性・・・自分が情けをかけて裏切られた時の事を聞いてイオンは顔を瞬時に青くし、ルークは手を下ろし真剣な眼差しを向ける。
「俺もあんまりこんなことを言いたかねーが、そんなことになりゃあのオッサンの事をどうにかした後だろうから批難されるのもそうだろうが、キムラスカがどういう反応をするかなんてのは・・・ナタリア一人を見りゃ想像はつくだろうよ」
「っ！」
「言い方とか色々とキツいってのは承知はしてっけどよ・・・実際心残りとか情があるみたいな考えでだけでどうにかなんてのはどうかって思うから言ってるし、本気でそれだけ出来ないんならあいつを庇うとかそんなことは止めとけって言いてーんだよ。じゃねーと色々とやべーことにしかならないのは目に見えるからな」
「っ・・・」
ルークはそこからいかにガイに関連することを真剣でいて真面目に考えなければならないかを口にしていき、イオンは悲し気でいて辛そうな表情を浮かばせるしかなかった。ガイを取り巻く状況にガイ自身の事情を考えれば、イオンもキツさを感じてしまう形で。









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