盲目の愛を愛と呼べるか

「止めておけ。大方ティアがそうやってここの事を黙っていた理由のおおよそは見当はつく」
「見当、ですか?」
「大きく分けて二つあるが、一つはユリアシティの存在はダアトの中でもごく限られた者にしか伝えられていないことから、いずれ知られるかもしれないとは言え口にしたくなかったことからだろう。そして二つ目は育った経緯もだが、ヴァンの事を話したくないと思ってだろう。今までの言動からティアが自分もそうだが、ヴァンについてを俺達に話すことに関してを避けたいというのは分かるからな」
「っ・・・!」
「・・・その反応は当たりといったところか」
そんな二人を止めた上でナタリアの疑問の視線と声を受けつつ沈黙の理由をアッシュが推測するのだが、たまらず苦い顔を浮かばせるその様子に少し呆れたように目を閉じる。反応からして間違いではないとすぐにわかる様子に。
「・・・だが別に構わん。取りあえず次にこのユリアシティの市長の元に話をしに行く」
「市長の元にって、どうしてアッシュ?」
ただすぐに目を開け市長の元にと切り出すアッシュに、アニスが首を傾げる。
「少しヴァン達についてもそうだが、ある話をしておきたいからだ。これに関してはお前達に証拠を見せるだけで済ませようかと思っていたが、途中から必要になると思って急遽予定を変えることにしたんだ」
「ちなみにその話は我々にとっても関係しますか?」
「あぁ、勿論だ」
「なら私からは反対する理由はありませんし、その市長の元に向かいましょう」
「っ・・・」
アッシュは話すべきことが出来たからと返してジェイドが自分達との関連性についてを聞いた後に行こうと切り出すが、一人苦い顔をするしかないティアは了承と首を縦に振った他の面々と違い乗り気ではないという様子を隠しきれてはいなかった。






・・・それでルーク達が向かった市長室には市長が一人でくつろいでいた。
「おぉ、ティア・・・と、そちらの方々は?」
「・・・その説明に関しては今からさせてもらう」
そんな市長は一行の中からティアを見つけた後にルーク達を見てどういうことかと怪訝そうにするのだが、アッシュが真剣に説明をすると切り出す。


















・・・それでアッシュは説明を始めていくのだが、最初は市長は何をといったように信じていないといった反応を軽くしていた。しかしヴァン達の計画に関してを聞いていく内に市長は次第に顔色を青く変えていくのだが、そうなったのはアッシュとルークの二人の姿を認識した事からだ。やはりというか聖なる焔の光という存在がいかにこのユリアシティ、それも惑星預言を知る者にとって大きかったからこそヴァンの裏切りにも等しい行動は衝撃であったのだろう。



「・・・そんな・・・ヴァンが・・・」
「・・・お祖父様・・・」
・・・そして一連の流れについてを聞き終わった市長はあまりのスケールのでかさに愕然とするしかなく、ティアもその様子にどう声をかけていいものかというような複雑な表情を浮かべるしか出来ていない。
「意気消沈という所に悪いが、こちらから聞きたいことがある。これは今後の行方にも関わることの為、正直に話してほしい」
「わ、私に何を・・・?」
「話の中でも出てきたが、ガイの正体について心当たりがないかだ」
「「!?」」
だがアッシュが続けざまに口にした質問の中身に、市長はティア共々驚きに目を見開いた。確かに話の中でも出てはきたが、ガイの正体についてを聞いてくると思っていなかったというよう。









.
5/19ページ
スキ