盲目の愛を愛と呼べるか

・・・そうしてアッシュが合言葉を口にすると、ルーク達は光に包まれた後にその譜陣の上から姿を消した。始めからそこには誰もいなかったかのよう。






「・・・ここは?」
「少し場を移すぞ。ここの造りに関しては聞いているから、説明するのにちょうどいい場所に行く」
「うん・・・」
それでユリアシティに降り立った所でアニスがどこかに疑問を浮かべるが、場を移すというアッシュに仕方無いと頷くしかなかった。ユリアシティに関する予備知識などティア以外は他には表向きはない事から、言うことに従うのが最善だと。






・・・それでアッシュが先導して向かったのは、外殻大地が魔界に降りて以降は港部分として使われるようになった場所になる。
「・・・さて、ここから見える光景だったりに色々と言いたいことはあるだろうがそれも交えてこれから説明していく。質問に関しては説明が終わったなら都度都度質問に答えていくから、一先ずは話を聞いてくれ」
それで周りをキョロキョロとする一同にアッシュは説明を始めると切り出す。外殻大地のこと、ユリアシティや魔界のこと、そしてヴァン達の計画についての詳しい中身を・・・


















「・・・ということだ」
「そ、そんな・・・」
「・・・信じがたいという気持ちがあるのは私も同様ではありますが、彼が嘘をつく理由はありませんし何よりここから見える光景の事を考えれば嘘とは言えないでしょう。特にパッセージリングの事からアクゼリュスもそうですし、ホドが大陸丸々と欠片も残さず消失したことに関してはそれで説明がつきます。そうでなければ例え疑似超振動であっても近隣の島々まで巻き込んで消失などしないでしょうし、仮にそれだけの威力が疑似超振動にあったならホド以外のどこかが消失していてもおかしくないと思いますからね」
「・・・そう聞くと確かにそうですわね・・・」
・・・それでアッシュからの説明が終わってアニスがスケールのでかさに愕然とするが、ジェイドの言葉にナタリアも確かにと納得する。目の前に広がる泥状化した大地に障気により紫色に染まった光景に空には外殻大地が広がっていて青空が見えないことに加え、更にはホドの消失に関してを聞いた為に。
「・・・まぁ話を聞けば納得は出来るし、実際にこんな光景を見てみりゃ嘘だなんて言えねーのは確かだな。ただそうなると・・・ティアがここの事をここに来るまでに言わなかったのは、やっぱどうかって思うわ。今まで言う機会はあったどころか、アッシュからこのユリアシティって場所についてを予感させるようなことを聞かされたんだから、ここのことは言っても良かっただろ。ぶっちゃけここのことじゃないってお前が思ったってのには色々と無理がありすぎるだろうよ」
「っ・・・!」
ただそこで一人ルークは胡散臭げな視線と言葉をティアに向けると、苛立たしげな様子でルークをにらみ返す。
「・・・何故ルークを睨むのですか?ルークからすれば当然の疑問ですし、貴女も貴女でここに来ると分かっていたのですからいずれここのことは知られると分かっていた筈です。なのにそうして貴女がルークを睨むのはどうしてですか?」
「っ・・・それは・・・」
そんな光景にジェイドが眼鏡を押さえつつ鋭い視線を向けながら問い掛けを向けると、ティアは途端に威勢を無くして視線をさ迷わせる。









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