盲目の愛を愛と呼べるか

「分かったのでしたらガイに関してはこれまでです。もうそろそろダアトに着きますから一先ずはアッシュの言うような証拠を見届けたなら、何かあるならともかく手早くダアトから離れましょう。あまり長々ダアトにいてもタルタロスが見付かる可能性の関係上、我々がいることを噂でも流されたくはありませんからね」
「はい、分かりました・・・」
そうして話は終わりとジェイドはまとめるように手早く行こうと話をし、イオンは力なく頷くしかなかった。ガイについてをどうにかすることを諦めるよう。



(『・・・なぁ。ガイはイオンが切り出したからともかくとして、お前やジェイドがティアの事を話題に出さなかったのは敢えてなのか?』)
(まぁな・・・ティアに関してもガイと一緒だったけど、それを言い出すとならティアも置いていけばよかったみたいにナタリアから言われるのは目に見えてたからな・・・そんなことになると言い争いだとかで空気が滅茶苦茶悪くなんのが目に見えたから俺は何も言わなかったんだよ。ティアの場合はそれでも行くって言い続けるのは分かりきってた事だからな)
(『あぁ・・・それは確かに目に浮かぶわ・・・』)
それで場の空気が落ち着いた所で『ルーク』がティアについて話題に出さなかった理由を聞くと、ルークが返してきた理由に妙な気持ちになる。ナタリアが激しくなることもそうだが、ティアが気持ちから譲ることはないだろうとの強さを見せることに。
(ただそれでもユリアシティに着いたら波乱があるのは避けられないだろうけどな。ケセドニアの時と違って皆付いてくるのは確実だから、話が色々とややこしくなるだろうし)
(『・・・まぁそれは覚悟しないとな・・・』)
更にルークがこれからの面倒さを示唆すると、『ルーク』もまたそうだろうと重く感じていた。どうしても面々から考えると厄介にしかならないだろうと。


















・・・それでルーク達はタルタロスをジェイドが以前ダアトからイオンを連れ出す際に目立たないようにと隠していたポイントにつけた後、アラミス湧水洞へと向かった。



「・・・えっと、一番奥まで来たけど・・・ここに意味深な譜陣があるくらいで特に何もない所だから、意味のある場所じゃないってダアトの中で話になってたけど・・・」
「それはこれから先の場所に関係無い者達にここに居着かれるのを避けるために意図的に流された話だ。そうでもしなければここはあまりにもダアトと港に近すぎて人目につきやすく、魔物さえ気を付ければそうここに来ることは難しくはないからな」
「・・・ってことはこの譜陣にはやっぱり意味があって、どこかに繋がってるってこと?」
「あぁ、そうだ・・・最も俺も実際に行くのは初めてで、緊急の際に何かあればここから先の場に行くようにと合言葉をヴァンから聞いていた」
「っ・・・」
・・・それでアラミス湧水洞の奥の譜陣前に来た所でアニスがどういうことかと聞いてきたため、アッシュがどういう場所かもだが知っている経緯についてを話すとティアがその端でそっと苦々しげに拳を握り締めていた。
「・・・行くぞ、この先に俺が言う証拠がある。譜陣の上に乗れ」
だがアッシュはそんな様子を見つつも指摘はせず、さっさと譜陣の上に乗って一同を誘うとルーク達はそこへ同じように乗り込んだ。他の面々もティアの様子については指摘することなく。









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