見えないものを見据えられるか

「・・・だが最早それを論ずる必要はもうないだろう。ガイもそうだが、ティアが変わるのを待つのも変えてくれる誰かを待つことももう望めない。そんな都合のいいことが起きるのは有り得んのは目に見えているからな」
「まぁそれはそうだけど・・・もしどっちの方でもそうだけどガイやティアがそういった誰かに出会えていたなら、いい方向に変われていたのかな・・・」
「・・・可能性は全くなかったとは言わんが、相当に低かったのは確かだろうな。何せガイは復讐対象のファブレ内にいて、ティアは時折帰ってくるヴァン以外は似たような面々しかいないユリアシティだ。そんな中でヴァンとまでは行かずとも影響を与える誰かなど簡単に望めるような物では無かっただろうからな」
「・・・全部が全部じゃないにしても、環境のせいって部分が大きかったってことか・・・」
そんな二人の会話はティア達が変われた可能性についてに移行する中、アッシュの言葉に苦くもルークは納得するしかなかった。二人が変われる人物など現れるはずがないのはある意味間違ってはないと。
「・・・昔の俺だったらお前が言うなとは言われるだろうが敢えて言うなら、奴らは平静とはかけ離れた状態にあってそうだということを自覚出来ていなかった。そしてそんなものだったから表面上はともかくとしても、冷静に物事や先を見据えて動けなかったんだ。こちらの二人もそうだが、お前がいなくなってからの二人もな」
「・・・そしてそんな二人が壊れてしまうかもしれない、師匠殺しを俺達がやるってことになるけど・・・あの二人はそれを割り切れないだろうな、やっぱり・・・」
「その時はその時だ。俺としても二人に変わるなら変わってほしいが、本人が変わることを望まないなら望み薄だろう」
「・・・まぁそれは俺も分かるよ・・・俺自身そうだったからな・・・」
だからこそまずどうしようもない・・・ガイとティアの事についてをそう言ったように評する中、ルークは特に辛さを滲ませていた。変わるべきだった、変わらないといけないと思った・・・あの時はそうしようと動いたのに、あの二人はそれがまず出来ないだろうということに・・・


















・・・そうして二人はタルタロスへ戻り、ジェイドが戻る少しの時間を二人はゆっくりとイオン達と共に過ごした。先のノワール達との話を話すだけ話した後、船室に戻ったと聞かされた。難しい表情を浮かばせながらと。

そんな風に聞かされた二人だが、そうして話をしている内にジェイドが戻ってきた為に一同はダアト・・・正確にはユリアシティへ向かうことにした。次の目的地であり、表向きはナタリア達に外殻大地の真実を知らしめる地へと・・・









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