見えないものを見据えられるか
「取りあえずはここまでにしておこうか。あまり長々と話をし過ぎて大佐達を待たせるようなことになるのもどうかとは思うし、次の目的地のダアトに早く向かいたいだろうからね」
「あぁ。また都度都度こちらに寄るだろうが、キムラスカにモースにヴァン達の情報が入ったならその時に教えてほしい。ただヴァン達に関しては下手に深追いするな・・・俺達を是が非でも捕まえたいと思っているのは間違いないだろうし、奴らは抑えようとはしても気が立っているだろうというのもまた容易に想像はつく。お前達が奴らを探っていると知られたなら確実に攻撃を仕掛けてくるのは目に見えているから、遠くで奴らを確認出来たならそれでいいくらいに思ってくれ」
「分かったよ、こっちも犠牲者は出したくないからね」
「あぁ。ではまた会おう」
そうしてもう終わらせようといったように進めるノワールにアッシュは注意を口にしてから、ルークと共に店を後にしていく。ノワールの見送る視線を背中に受ける形で。
「・・・覚悟してはいたけど、ガイは何も言わなかったな・・・」
「そしてティアもまた何も言わずに済ませようとした・・・一応ガイを連れていくことには難色を示したが、自分やガイの事を言おうとしない形でな」
・・・それでフードを目深に被り街中を歩きつつ、二人は会話を交わす。ガイもそうだがティアについてを。
「・・・だがこれから向かうダアト、いやユリアシティでガイにティアの二人の本名については明かしてもらうことになる。いや、明かしてもらわねばならん・・・ティアはまだしもガイがガルディオスだという事実に関してを引き出すことが出来なければ、イオンにナタリア辺りがガイをどうにか出来ないかと言い出しかねない可能性は無いとは言い切れないだろう」
「だろうな・・・」
「・・・ガイをどうにか出来ないかという考えにはもうならんか?」
「・・・アッシュの話を聞いたってのもあるけど、ガイのあの頑なな態度を見て大丈夫なんて言えるような自信なんて全く浮かばなかったからな。ただ昔の俺ならそれでもガイを信じたいとかみたいに言ってただろうとは思うけど、それで信じて殺される・・・みたいな事になったら幽々子達への顔向けが出来ないどころじゃなくなるからな」
「・・・戻るべき場所があるからこそ、冷静になれたということか・・・」
それで以降の流れについてを話す中で幽々子達の事を口にするルークに、アッシュは少し感慨深そうに漏らす。
「・・・どうしたんだよ、アッシュ?」
「いや・・・なんというか、改めてそういった話を聞いてお前が紫やその幽々子という者達と出会えて良かったのだと感じたんだが・・・しかしそれと同時に、こちらのガイやティアもヴァン以外に異性に恋愛関係かは限らずいい人物がいたらと思ってな・・・」
「あぁ・・・自分で言うのもなんだけど、出会いがあるかないかで本当に考え方は変わるからな・・・ただ前の俺のような感じで二人が俺に近付いたとしても、いい結果になるとはアッシュも思わないんだろ?」
「まぁな・・・あれはお前が悪かったとは言わん。むしろ当時に限って言うなら姿形はともかく、実年齢では一桁台で九歳以上も離れたルークに自分の考えやらを委ねる事の是非を考えるべきだったと今なら思うがな・・・」
「あ~・・・自分の事としてで考えないでみたら、そうなるか・・・」
ルークがそんな様子にどうしたかを聞くアッシュは少し嬉しそうな様子を滲ませた後に二人についても話すが、端から考えた時の見え方にルークも何とも言いがたそうに表情を歪める。自分の事として考えないなら、確かに二人のやったことはそれだけ年下のルークにかなりの重圧をかける物で、人生経験のある者達がやることとしてはあまり良くないことだということになると。
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「あぁ。また都度都度こちらに寄るだろうが、キムラスカにモースにヴァン達の情報が入ったならその時に教えてほしい。ただヴァン達に関しては下手に深追いするな・・・俺達を是が非でも捕まえたいと思っているのは間違いないだろうし、奴らは抑えようとはしても気が立っているだろうというのもまた容易に想像はつく。お前達が奴らを探っていると知られたなら確実に攻撃を仕掛けてくるのは目に見えているから、遠くで奴らを確認出来たならそれでいいくらいに思ってくれ」
「分かったよ、こっちも犠牲者は出したくないからね」
「あぁ。ではまた会おう」
そうしてもう終わらせようといったように進めるノワールにアッシュは注意を口にしてから、ルークと共に店を後にしていく。ノワールの見送る視線を背中に受ける形で。
「・・・覚悟してはいたけど、ガイは何も言わなかったな・・・」
「そしてティアもまた何も言わずに済ませようとした・・・一応ガイを連れていくことには難色を示したが、自分やガイの事を言おうとしない形でな」
・・・それでフードを目深に被り街中を歩きつつ、二人は会話を交わす。ガイもそうだがティアについてを。
「・・・だがこれから向かうダアト、いやユリアシティでガイにティアの二人の本名については明かしてもらうことになる。いや、明かしてもらわねばならん・・・ティアはまだしもガイがガルディオスだという事実に関してを引き出すことが出来なければ、イオンにナタリア辺りがガイをどうにか出来ないかと言い出しかねない可能性は無いとは言い切れないだろう」
「だろうな・・・」
「・・・ガイをどうにか出来ないかという考えにはもうならんか?」
「・・・アッシュの話を聞いたってのもあるけど、ガイのあの頑なな態度を見て大丈夫なんて言えるような自信なんて全く浮かばなかったからな。ただ昔の俺ならそれでもガイを信じたいとかみたいに言ってただろうとは思うけど、それで信じて殺される・・・みたいな事になったら幽々子達への顔向けが出来ないどころじゃなくなるからな」
「・・・戻るべき場所があるからこそ、冷静になれたということか・・・」
それで以降の流れについてを話す中で幽々子達の事を口にするルークに、アッシュは少し感慨深そうに漏らす。
「・・・どうしたんだよ、アッシュ?」
「いや・・・なんというか、改めてそういった話を聞いてお前が紫やその幽々子という者達と出会えて良かったのだと感じたんだが・・・しかしそれと同時に、こちらのガイやティアもヴァン以外に異性に恋愛関係かは限らずいい人物がいたらと思ってな・・・」
「あぁ・・・自分で言うのもなんだけど、出会いがあるかないかで本当に考え方は変わるからな・・・ただ前の俺のような感じで二人が俺に近付いたとしても、いい結果になるとはアッシュも思わないんだろ?」
「まぁな・・・あれはお前が悪かったとは言わん。むしろ当時に限って言うなら姿形はともかく、実年齢では一桁台で九歳以上も離れたルークに自分の考えやらを委ねる事の是非を考えるべきだったと今なら思うがな・・・」
「あ~・・・自分の事としてで考えないでみたら、そうなるか・・・」
ルークがそんな様子にどうしたかを聞くアッシュは少し嬉しそうな様子を滲ませた後に二人についても話すが、端から考えた時の見え方にルークも何とも言いがたそうに表情を歪める。自分の事として考えないなら、確かに二人のやったことはそれだけ年下のルークにかなりの重圧をかける物で、人生経験のある者達がやることとしてはあまり良くないことだということになると。
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